［富士ゼロックス・スーパーカップ］川崎 １-０ 浦和／２月16日／埼玉スタジアム2002
 
　スコア以上の完敗。“ホーム”埼玉スタジアム2002に川崎を迎え撃ったゼロックス・スーパーカップで、浦和はあまり良いところなく敗れた。ボールを奪ってもスムーズにボールを前に運べず、どちらかと言えば川崎のクオリティの高さが目立つ試合だった。
 
　そういう背景もあったからだろう、ミックスゾーンに現われた杉本健勇の足取りは重そうに見えた。実際、囲み取材に応じた彼の声のトーンからはテンションの低さがはっきりと窺えた。

　それはそうだろう。興梠と２トップを組みながらシュートは０本。FWとしてゴールに絡めないどころか、シュートすら打てなかったのだ。「今日は少し難しかった」というのは間違いなく本音だ。
 
「ボールを奪ったあとのカウンターを狙っていましたが、川崎は切り替えが早くて、そこで自分たちがバタついてしまった」と振り返る杉本が、改善ポイントのひとつとして挙げたのが縦パスだ。
 
「自分たちがもっとボールを握らないとダメ。縦パスを出せるところでも横パスというケースが多かったので、出し手も受けても縦パスをもっと要求し合わないといけない」
 

　この日はピッチで数人の選手とジェスチャーを交えながら確認作業をするシーンが何度かあったように、杉本にもプレーに迷いが見られた。もちろんチームにまだ完全にフィットしていないことは誰より本人が分かっているはずだ。
 
「まだまだこれからです」
 
　語気を少し強めてそう言った杉本。仙台とのリーグ開幕戦（２月23日）に向けてゼロックス・スーパーカップでの反省をどう生かすか、見守りたい。
 
取材・文：白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）

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