A代表入りも有力! ポルトガルに渡った田中順也の挑戦を追う

カテゴリ:ワールド

細江克弥

2014年08月27日

部外者が疑問を抱いたスポルティングの「熱意」。

スポルティング移籍後、自慢の左足で存在をアピールしている田中。定位置奪取なるか? (C) Getty Images

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 リスボンに本拠を構えるスポルティングは、リーグ優勝18回を誇るポルトガル屈指の名門である。国際舞台での成績は近年こそ物足りないが、かつてはルイス・フィーゴやクリスチアーノ・ロナウドなど、スターダムに駆け上がったトッププレーヤーを多く輩出。緑と白が横断する特徴的なユニホームは、欧州サッカー界における「老舗」のトレードマークとして、確固たる存在感を誇る。
 
 そんなクラブに名もなき日本人選手が引き抜かれたのだから、世界が驚くのも無理はない。田中順也の日本代表キャップ数はわずかに「1」。年齢も27歳と決して若くない。にもかかわらず、スポルティングは年俸4000万円超の5年契約を結んだうえ、80億円超と言われる違約金を設定する「熱意」を示した。
 
 もっとも、その熱意は部外者から見れば疑問符の付くものでしかない。
「ところで、タナカって誰?」
 
 移籍決定の一報を伝えたあるイタリア紙の見出しは、おそらく世界のメディアに共通する正直なリアクションと言っていいだろう。果たして海を渡った田中は、どちらかと言えばネガティブなこのリアクションを、ポジティブな驚きに変えられるだろうか。
 
 とくに育成年代において、田中は日本国内でもまったくの無名選手だった。多くのプロ選手を輩出している三菱養和SCで育ったとはいえ、ジュニアユース時代はエースでもなければレギュラーを約束された存在でもない。ユースでも目立った成績を残せず、一般入試で順天堂大へ進学。それでもこの頃から徐々に頭角を現わし、4年時には特別指定選手として柏レイソルに加入。プロ3年目の2011年には13得点を記録する急成長を遂げ、柏レイソルのJリーグ制覇に貢献して脚光を浴びた。翌12年には、アルベルト・ザッケローニ率いる日本代表に名を連ねている。
 
 その後、工藤壮人の台頭によって定位置を失う苦しい時期が続いたが、14年シーズンは尻上がりに調子を上げ、12試合で5得点を記録。何の予兆もなくスポルティングへの移籍が発表されたのは、ワールドカップの開催に伴うJリーグ中断期間のことだ。慌ただしく海を渡った彼は、新シーズンに向けて始動したばかりのチームに合流した。
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