現地９月２日に行なわれたラ・リーガ第３節最注目の一戦、ベティス対セビージャの“セビージャダービー”は、退場者一人を出す激戦の末、１-０で前者に軍配が上がった。

　ホームに宿敵を迎え、普段以上の熱を帯びるベティコ（※ベティスの熱狂的なファン）をさらなる熱狂の渦に巻き込んだのは、下部組織育ちの37歳、ホアキン・サンチェスだった。スコアレスで迎えた75分に今シーズン初出場を飾った元スペイン代表MFは、わずか５分後にアイサ・マンディからのクロスをヘディングシュートでゴールへねじ込んだのだ。

　これが決勝弾となり、大ベテランはベティスをダービー勝利へ導いた。今シーズンは開幕前に筋肉系のトラブルを抱えて出遅れたが、ダービーで面目躍如の大活躍である。試合後は、感慨に浸りながら喜びのコメントを残した。

「ダービーには間に合うように調整を続けていた。このダービーでゴールを決めてチームを助け、ベティコとともに勝点３を獲得しようとね。だから、今日ほど嬉しいことはないよ。僕はここで育ったから、このダービーがいかに重要かを知っている。とにかくベティコと喜びを分かち合えていることが嬉しいんだ。彼らは僕にフットボールをプレーする喜びを与えてくれるからね」

　ダービーに並々ならぬ闘志を燃やしていたホアキン。その熱き想いは、戦う前から溢れ出ていたようだ。

　ラ・リーガの公式ツイッターが、試合前のベティスのロッカールームを紹介。そこでは、ホアキンが、乾貴士を始めとするチームメイトたちを呼び寄せ、その輪の中心で次のような熱き言葉を飛ばした様子が映っていた。

「みんな、いいか？ 今日は何に臨むのか分かっているよな？ ５万人を超える魂が俺たちを後追いしてくれる。90分、全力で戦い続けなければいけない。90分、決意、姿勢、闘争心、献身性、チームメイトの目を見て、そして最後まで足を踏み込め。球際は前へ、特に試合序盤に勢いをつけることだ。それが自分たちを勝利に導いてくれる。いくぞ、１、２、３!!」

　試合の前から闘志を燃やすホアキンの姿にファンは当然、熱狂。動画が添付されたツイートには、感激したファンからのコメントが相次いだ。

「彼は偉大であり、伝説の戦士だ」
「ドン・ホアキンはこれ以上ないアイコンだ。もはやその存在は神話に近い。他のどの選手よりも、ベティスに相応しい」
「偉大すぎるキャプテン」
「神だ…」
「愛している」

　ファンを熱狂させる活躍を示し、いまだ健在であることをアピールしたホアキン。37歳という年齢を考えれば、選手キャリアは、決して長くはないだろうが、今後もピッチ内外での一挙手一投足に注目だ。