[J１リーグ25節] FC東京０-０鳥栖／９月２日／味の素スタジアム

　前節で移籍後初の得点を挙げたフェルナンド・トーレス。FC東京との一戦では無得点に終わった。前日の試合で残留争いのライバルであるガンバ大阪、横浜F・マリノスら下位チームが勝利を収めたなか、引き分けという結果で勝点１を獲得した。

　鳥栖はFC東京のチャン・ヒョンス、森重真人、橋本拳人らの堅い守備に阻まれ、前半はシュート１本。後半になってフォーメーションを変更すると、トーレスはポストプレーやスルーパスなど要所で魅せ、56分には髙橋義希のクロスに合わせるヘディングシュートも。しかしこれは枠に飛ばず、90＋４分にベンチに下がった。

　チームとして守備に回るシーンが多く、攻撃面では見せ場が少なかったが、試合後にトーレスはポジティブな感想を口にした。

「昨日、ガンバ大阪が勝利し、横浜F・マリノスが勝ったことは確かに我々にとっては悪い知らせだ。けれど、今日はアウェーで、FC東京というクオリティの高いチームに対して、勝点１を獲得することができた。これはポジティブに捉えるべきだと思う。我々は一つひとつの試合を大切にしていくこと。こうした残留争いは最後までなにが起きるか分からないのだから」
 

　前向きに語るのは、チームとして手応えを感じているからだ。トーレスがスタメンに定着して早１か月、「確かに以前より強くなっている」という。

「チームとして、強くなっていると感じている。特に守備面だ。下位で残留争いをしているチームにとって、守備は勝点を積み重ねるためには非常に大切だ。攻撃も少しずつチャンスも作れるようになっているし、コンビネーションはもっと良くしていきたいと思っている」

　確かに、天皇杯を含むここ３試合で鳥栖は失点していない。FC東京戦では勝利することはできなかったが、守備面で手応えは感じている。

　鳥栖は15日にホームで現在首位の広島と対戦。果たして、トーレスを中心に、”チームとしての強み”を十分に発揮し、勝点を積み重ねられるだろうか。

取材・文●熊介子（サッカーダイジェストweb）