【番記者通信】クオリティーを保証する“預言者”|インテル

カテゴリ:メガクラブ

サルバトーレ・リッジョ

2014年03月04日

司令塔が万全の状態なら、ローマ戦の結果も…

エルナネスはクオリティーを保証する中盤で唯一のタレント。リッジョ記者の称賛も、結果が証明する。 (C) Alberto LINGRIA

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 ローマと敵地オリンピコで引き分けた26節は、たとえ相手の主力に欠場者が多かったとしても、いまのインテルにとっては決して悪い結果ではなかった。酷かった1月を経て、ワルテル・マッザーリ監督は組織の成熟を図り、チームは試合ごとに向上を見せている。ヨーロッパリーグの出場権が与えられる5位は、十分実現可能な目標となっている。

 ただそのためには、前線の決定力アップが不可欠だ。フィニッシュの局面ではマウロ・イカルディの台頭が心強いが、その前段階、チャンスメイクの局面は物足りなさが否めない。アイデア、ファンタジーアの欠如が明らかだ。エリック・トヒル会長はその必要性を理解し、1月の移籍マーケットでのエルナネス獲得に踏み切った。そして“プロフェータ”(預言者の意味のエルナネスの愛称)を起用したインテルは、サッスオーロ(1-0)とフィオレンティーナ(2-1)に連勝した。ブラジル代表MFを獲得した効果は、この結果が雄弁に物語る。

 ただ不運にも、エルナネスは内転筋の違和感を覚え、サン・シーロでのカリアリ戦は欠場した。するとどうだ。15位に低迷するカリアリにインテルは苦しみ、DFを崩してシュートに辿り着くこともできなくなってしまった。1対1でマークをかわせる選手も、正確なプレースキックを保証する選手も見当たらない。欧州カップ戦を目指そうというチームとは、とうてい思えない姿を、ホームで晒したのである。終盤、イカルディに対するファウルにPKの笛が吹かれない不運があったにせよ、52分に1-1の同点に追いついて以降、チャンスらしいチャンスを作れなかった。

 いまのインテルにとって、エルナネスはクオリティーを保証する中盤で唯一のタレントだ。フレディ・グアリンも、マテオ・コバチッチも、もちろんサフィル・タイデルも、同等の仕事はできない。だからマッザーリ監督は、ローマ戦でエルナネス起用の可能性をギリギリまで模索していたのだ。結局、エルナネスは間に合わず、64分の交代出場も無理をおしての投入で、本人の動きは重かった。

 結果的に浮き彫りになったのが、エルナネスの存在の大きさだ。前線のロドリゴ・パラシオとイカルディは、ほとんどいい形でボールを受けることができなかった。司令塔がスタメンでピッチに立てていれば、ローマ戦の結果は変わっていただろう。

 チーム再生の鍵を、エルナネスは文字通り握る存在である。

【記者】
Salvatore RIGGIO|MESSAGGERO
サルバトーレ・リッジョ/メッサッジェーロ
1983年ミラノ生まれ。データスポーツの編集員を経て、現在は一般紙『メッサッジェーロ』のスポーツ担当としてミラノ地域を受け持つ。インテルのみならずミラン、さらにその両チームの下部組織も精力的に取材し、評価を高めている若手記者の筆頭。

【翻訳】
神尾光臣
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