[Ｊ１リーグ18節]鳥栖０-０磐田／７月28日／ベストアメニティスタジアム
 
　J１の18節、ジュビロ磐田はサガン鳥栖と対戦。敵地ベストアメニティスタジアムに乗り込んだ一戦は、スコアレスドローで幕を閉じた。
 
　この試合で注目を集めたのは、やはり鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスだった。しかし一方で、このワールドクラスのストライカーを封じることができるだろうかーー。磐田サポーターは、そんな心持ちでいたかもしれない。
 
　まだまだ万全のコンディションではないF・トーレスに、磐田は何度かチャンスを作られたものの、実際には周囲との連係不足に助けられた印象が強い。34分のヘディングや55分のループシュートは決められていてもおかしくなかった。

　試合後、磐田の名波浩監督は、F・トーレスについて振り返った。
 
「（F・トーレスの）運動量が少ないのは分かっていた。このコンディションで相当しんどい中でチームにフィットさせないといけない、そういう強い気持ちは感じました。けれど、パフォーマンス的には彼の100㌫を映像で知っている我々としたら、まだまだじゃないかなと。ただ、金崎（夢生）、小野裕二とのコンビネーションであったり、トライアングル、そういうところで個の仕掛けとかコンビネーションはやはり脅威に感じました。セットプレーも仙台戦で１本、芯を食ったヘディングシュートを打ったと思うんですけど、ああいう怖さは常にあったんじゃないかなと思っています」
 
　名波監督が回想するのは、仙台戦の64分、原川力からのCKを頭で合わせた場面だ。惜しくもシュートをGKの正面に飛ばしてしまったものの、空中戦の強さを見せつけたシーンだった。
 
　磐田戦での前述の34分のヘディングシュートも、まさに原川からのCKに合わせたもの。名波監督もヒヤリとしたに違いない。
 
　トップコンディションでなくても、やはりその存在感は大きい。名波監督も、少なからずF・トーレスの脅威を感じていたようだ。
 
取材・文●多田哲平（サッカーダイジェストWEB編集部）