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大迫勇也を変えた4年前の屈辱とW杯初ゴール。昔は嫌がった「ハンパない」という言葉も…【西野ジャパン23戦士のストーリー#3】

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年07月11日

「ハンパない」の流行を伝えられると大迫は笑顔で返した

「もうやるしかない」と繰り返していた大迫は、W杯でゴールを決めるという「夢」を叶えた。(C)Getty Images

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 覚悟を形にした。
 
 1-1で迎えたコロンビア戦の73分、本田の左CKに飛び込んだ大迫が、体格で上回る相手DFを巧みに右手でコントロールしながら、ヘディングで合わせる。
 
「本当に昔からの目標だったので……ワールドカップでゴールを決めることが。願いが叶った。夢だった。最高です。みんなの力です」
 
 ゴールネットが触れると、ベンチに向かって勢いよく走りだし、控えメンバーたちと抱き合った。
 
 大会前、大迫は何度も同じようなコメントを口にしていた。
 
「もうやるしかないんで。ここで何をしゃべっても説得力がないし、あとはプレーで示すだけ。FWは結果で」
 
 ローテーションで回って来る取材対応日。応じなかったことが一度、3分足らずで「もういいっすか?」と切り上げたことが三度あった。元来のシャイな性格もあるが、このワールドカップに懸ける想いを、普段とは違う行動で示したかったのかもしれない。初戦でのゴールは、1か月以上も前から意識していた。
 
 セネガル戦では、柴崎からの絶好のクロスを空振りし、同点のチャンスを逸している。「決めるところを決めないと勝てない」と猛省したが、90分を通しての貢献度は高く、セネガル代表のシセ監督も「15番を抑えられなかった」と、試合後に言及したほどだ。
 
 精力的なチェイシングでパスコースを限定し、パワフルな相手DFを背負いながら確実にボールを収め、前線の揺るぎない基準点となった。しかし、本人に満足感はない。ゴールを奪えなかった悔しさがこみあげているのは、「FWはゴールがすべて」という強い覚悟があったからに他ならない。
 
 4年前のブラジル大会、大迫は先発出場した2試合でノーゴールに終わり、第3戦はスタメン落ちの屈辱を味わっている。それから歩んできた4年の道のりは、本当に正しかったのか、証明する舞台のひとつが、このワールドカップだったのだ。
 
 それでも、気持ちを切り替えてポーランドとの第3戦に向かったのは、精神的な成長の証だろう。
 
 昔は嫌がっていた「ハンパない」という言葉。日本で流行していることが伝えられると、大迫は笑顔でこう返した。
 
「良いことじゃないですか。日本の皆さんがサッカーを意識してくれているってことは。僕らは本当に結果を出していくだけで、それでまた日本が盛り上がれば良いと思います」
 
 大迫はこの4年で、FWとしても、ひとりの人間としても大きくなった。
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