出戻りと酷評された"あの決断"から2年、山口蛍は「自然体」で2度目の世界へ

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年05月31日

わずか半年でのC大阪復帰に、前監督から「戻ってくることを評価しない」と酷評された

「C大阪というクラブに対して一番、感謝している」。山口は率直な想いを口にした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 C大阪から唯一、山口蛍がロシア・ワールドカップに臨む日本代表メンバー23人に選出された。31日、東京都内で行なわれた記者会見。「最も感謝したい人」を問われると「C大阪というクラブに対して一番、感謝している」と答えた。それは率直な思いだった。
 
「ワールドカップの23人に選ばれたことを嬉しく思います。サッカー選手である以上、みんなが出たい大会。自分にとってもこの4年間、いろんなことがあって、まずはC大阪を一番に考えてプレーをしてきた」
 
 この言葉に偽りはない。2013年の東アジアカップから一気に台頭し、14年のワールドカップではグループリーグ3試合全てに出場。世界との差を痛感させられ、成長を求めて16年1月にブンデスリーガのハノーファーへと完全移籍を果たした。
 
 だが、同年3月のワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦で鼻骨骨折および左眼窩底骨折を負ったこともあり出場機会に恵まれず、所属クラブも2部に降格した。その年の6月。わずか半年で、かつJ2で戦っていたC大阪への復帰が発表されると、本人のみならずクラブに対しても批判の声が多く届いた。当時の日本代表を率いていたハリルホジッチ監督からも「戻ってくることを私は評価しない」と酷評された。
 
 もう呼ばれることはないかもしれないと感じた日本代表。批判にさらされた山口にとって、C大阪でプレーすることが全てだった。同年8月、想定外の代表復帰を果たした時は「監督のコメントとかを見ていて”しばらくは呼ばれないだろうな”という感じだったし、意識はしていなかった。ビックリしている部分はある」と本音を口にしていた。
 
「今だから言えるけど、あの時の決断は間違っていなかったと思う。去年、あれだけの成績を残してタイトルを取れていなかったら”帰ってきた意味があったのか”と思うかもしれない。去年、結果を出せたから”帰ってきて良かった”って言える」
 
 ワールドカップを強く意識し「出たい」と願っていた4年前。紆余曲折を経て、今は自然体を貫いている。C大阪で昨季は2冠を達成し、今季は主将を託された。シーズンが始まってから常々、チームを最優先としていることを公言し「(日本代表に)それで選ばれなかったら仕方ない」と語ってきた。「山口蛍」というよりも「C大阪の山口蛍」という自負がある。
 
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