４月28日、ブンデスリーガ２部の第32節が行なわれ、デュッセルドルフは２-１でディナモ・ドレスデンを下し、２節を残して１部リーグ昇格を決めた。
 
　勝てば昇格というアウェーでの一戦、原口元気と宇佐美貴史は定位置と言ってもいい２列目の両翼で試合開始を迎えた。

 
　ドレスデンがポゼッションでは上回り、６分にはCKからバラスが頭でファーストシュートを放つ。対するデュッセルドルフはその１分後、好位置で得たFKをアイハンが直接狙ってゴール右隅にボールを飛ばすも、これはGKシュバベが横っ飛びで防いだ。
 
　中盤での攻防が激しい一戦、スコアが動いたのは９分。敵陣中央でボールを得たノイハウスがボールをキープしながら、シュートコースが空いたのを見逃さず、左足で強烈なミドルをゴール左隅に突き刺して、アウェーチームが先制点を奪った。
 
　デュッセルドルフは22分にも、CKで宇佐美がゴール前に入れたボールを、飛び込んだボルムートが頭で合わせるが、地面に叩きつけたボールはバウンドしすぎてクロスバーを越えてしまう。
 
　さらに26分、縦パスで右サイドを抜け出したシャウエルテがグラウンダーのクロスを入れると、ヘニングスがニアでコースを変えようとしたが、しっかりミートせずにボールはゴール前を通過していった。
 
　対するドレスデンは、長くボールを保持し、時折、右サイドを攻略して惜しいクロスを入れたり、カウンターで鋭い攻めを見せたりするも、要所をデュッセルドルフの守備陣に抑えられ、決定的な場面を作り出すまでには至らずに前半を終えることとなった。
 
　宇佐美は何度もCKで良いボールを入れた他、遠めからミドルを狙い、さらに味方を使ってサイド突破を試みた。原口も頻繁にポジションを入れ替えながら攻撃に関与し、相手に止められることも多かったものの、こちらも積極的にドリブル勝負を仕掛けていった。
 
　後半は立ち上がりからドレスデンが攻勢に立って幾度も相手ゴール前に迫っていくが、デュッセルドルフは47分にカウンターからヘニングスがラストパスを受けてシュートに持ち込む（枠外）。このプレーをきっかけに、アウェーチームの敵陣でのプレーが長く続いていった。
 
　53分、宇佐美がヘニングスとのパス交換でペナルティーエリアへの侵入を試み、相手DFをドリブルでかわしたが、GKとの１対１に持ち込む前にクリアされる。一方の原口は、57分に左から持ち込んでシュートを放つが、これはゴールマウスを捉えられない。
 
　対するドレスデンは54分、右サイドでボールを受けたベルコが、エリア内へスルーパス。これをテストロートが反転しながら右足でダイレクトで叩くと、ボールは右ポストをヒットした。前半よりポゼッションは下がったホームチームだが、敵陣で可能性を感じさせる攻撃も幾度も見せる。
 
　そして64分、カウンターからドゥリェビッチが持ち込んでコネにラストパス。シュートはGKヴォルフが身体に当てたものの、ボールはゆっくりとゴールラインを越えていった。
 
　試合を振り出しに戻されたデュッセルドルフは攻勢を強めるが、クロスやラストパスでずれが目立ち、またドレスデンDF陣の踏ん張りでチャンスを作らせてもらえない。74分にFKからアイハンが競り勝ったものの、ボールはクロスバーを越えた。
 
　攻めあぐねるアウェーチームに対し、鋭いカウンターを見せるドレスデンは76分、テストロートが競り合いに勝って落としたボールをコネがエリア内で拾い、決定的なシュートを放つも、ループシュートはゴールマスを捉えられなかった。
 
　78分、原口がラマンとの交代。後半はボールに触れる回数も減り、縦パスは味方に合わず、直接相手GKに渡ることが幾度もあり、効果的なプレーを見せられずに出番を終えている。
 
　84分、カウンターでピンチを迎えながら、相手選手の空振りに救われて反撃に転じたデュッセルドルフは、ニールセンがエリア内で決定機を迎えたものの、シュートはシュバベの左足に阻まれ、勝ち越すことができない。
 
　猛攻を仕掛けたドレスデンは88分テストロートがクリアボールをダイレクトで叩き、シュートはゴールマウスを捉えていたが、ヴォルフの好反応で逆転とはいかない。
 
　すると、この試合でのデュッセルドルフの昇格決定は難しいと思われた90分、ヘニングスがエリア外の距離のある位置から左足を一閃、ゴール左隅を射抜いて貴重な勝ち越しゴールを奪った。
 
　原口同様に後半は時間とともに鳴りを潜めていった宇佐美がツィマーとの交代で退いてから間もなく、タイムアップの笛が鳴り、勝点３を積み重ねたデュッセルドルフは２位以内を確定。来シーズン、６年ぶりに１部リーグに参戦することとなった。