「W杯で優勝した時もこんな感じだったな」大黒柱の阪口夢穂が語る、アジア制覇の要因

カテゴリ:高校・ユース・その他

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2018年04月23日

「決勝はシュートを打たれるシーンが多かったんですけど」

阪口(左)は決勝で見せた身を投げ出す守備を称賛。一方で、課題も山積みだと警鐘を鳴らす。写真:サッカーダイジェスト

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 アジアカップで連覇を達成した日本女子代表が4月22日、成田空港で取材に応じた。

「優勝した時は実感がなかったんですけど、こうやって帰国してたくさんの報道陣の方に来ていただいていて、改めて優勝したんだなと思いました」

 そう感慨深げに話したのは、阪口夢穂。なでしこジャパンの10番で、大黒柱だ。今大会は、準決勝の中国戦を除く4試合にフル出場し、攻守にわたり奮闘。下馬評を覆す快勝劇の立役者となった。

 印象深いのは、グループステージ最終戦と決勝のふたつのオーストラリア戦だ。この両方の試合で、押し込まれるチームに落ち着きとアグレッシブさをもたらしていたのが、阪口だった。グループステージ最終戦で63分に値千金の先制点を決めて、来年のフランス・ワールドカップ出場権の獲得に導くと、決勝は得点こそなかったものの、中盤の底でピンチの芽を次々と摘み、時に鋭いパスで脅威となった。

 阪口は、特にオーストラリアと激戦を繰り広げた決勝戦をこう振り返る。
「決勝はシュートを打たれるシーンが多かったんですけど、その都度選手が身体を張って(守っていた)。ワールドカップで優勝した時もこんな感じだったなと思い出しました」

 とりわけ阪口が優勝の要因に挙げるのは、守備面だ。オーストラリアとの決勝では押し込まれる時間帯がほとんだったが、瀬戸際でGKの山下杏也加を中心にチーム全員が身体を投げ出して無失点に抑えてみせた。2011年のドイツ・ワールドカップで世界一に輝いた阪口は、当時の感覚が蘇ってきたという。

 とはいえ、このボランチが「自分たちのサッカーを圧倒的にできて優勝できたわけじゃない。優勝できたのはすごい良かったし、自信にはなると思うけど、まだまだ課題は多いので、浮かれてる暇はない」と言うように、圧倒した試合は少なく、むしろオーストラリアの“サンドバッグ”と化していた内容自体は、手放しで称賛できるものではない。
 
「手応えというよりも、このままではワールドカップで良い結果はまだ出せないかなという気持ちの方が大きい。1年しかないですけど、できることはやりたいですし、このままではダメだなと痛感したので、これから頑張りたいと思います」
 
 2006年から代表入りし、高倉体制の選手では最多の124試合という代表出場歴を誇る阪口は、現代表で誰よりも世界の厳しさを知っている。だからこそ警鐘を鳴らすのだ。
 
 来年6月に開催予定のフランス・ワールドカップまでは残り約1年余り。アジアの覇権を取り戻したなでしこジャパンが次に目指すのは、当然世界の覇権だろう。司令塔の阪口を中心にスケールアップを図りたい。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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