３月７日（現地時間）、チャンピオンズ・リーグ（CL）決勝トーナメント１回戦の第２レグが行なわれ、マンチェスター・シティ（イングランド）は１-２でバーゼル（スイス）に敗れたが、合計スコア５-２で準々決勝進出を果たした。
 
　アウェーでの第１レグで４-０の圧勝を飾り、ほぼ次ラウンド進出を決めたマンチェスター・Cは、メンバーを８人も入れ替えてリターンマッチに臨んだ。
 
　急逝したアストーリへの黙祷を経てスタートした試合は、静かな立ち上がりとなったものの、７分で早くも均衡は破れる。ザネがドリブルでバイタルエリアを横断してB・シウバにスルーパスを通し、ここからのファーサイドへのパスをフリーのG・ジェズスが難なく詰めて、マンチェスター・Cが先制したのだ。

　２戦合計での得点差を広げたホームチームはさらに精神的余裕を得たが、９分にジンチェンコがディエにボールを奪われてシュートまで持ち込まれる。第１レグでは見られなかったミスであり、この後もマンチェスター・Cには、守備面で危なっかしい場面が散見することとなる。
 
　中盤にスペースを空け、ルーズボールを拾われた他、DFラインの裏にボールを入れられることも多く、ここではGKブラーボが何とかしのいでいった。
 
　カウンターもたびたび受け、15分にギュンドアンの決定的なダイレクトボレーが防がれた後、バーゼルのリベロスに右サイドからボールを運ばれ、クロスからエルユヌッシのシュートをゴール右隅に突き刺されて、このカード初の失点を喫してしまった。
 
　メンバーが大きく入れ替わっていることもあり、持ち前の高度な連動性があまり見られず、選手の距離感、パスの精度や効果にも問題を抱えるなかで、マンチェスター・シティはバーゼルの積極性を引き出すかたちとなった。
 
　ポゼッションでは７割を超え、ザネ、B・シウバが両サイドらテクニックを存分に発揮して効果的なボールを再三ゴール前に入れ、シュートを放つものの、集中力を保ちながらこれをはね返し、失点を許さないバーゼルの守備の方が印象的。チーム構成や点差を考えれば、致し方がなかったのかもしれないが……。
 
　後半は立ち上がりからマンチェスター・Cが相手ゴールに迫り、ドリブルとパスで揺さぶりをかけていくが、決定機創出には至らない。対してバーゼルは時折、カウンターを仕掛けて良いところまで持ち込むも、こちらも最後のプレーを封じられる。
 
　後半は両チームともにシュートを放つ場面がなく、60分あたりから試合は膠着するが、グアルディオラ監督は温存した主力選手ではなく18歳のディアスを投入。この試合に対する智将の捉え方が窺える起用と言えた。
 
　そして70分、バーゼルはエルユヌッシが右サイドでボールをキープしながら、エリア内に横パスを入れると、走り込んできたランクがダイレクトでニアを撃ち抜き、逆転に成功。敵地で強敵相手にリードを奪う。
 
　後半も７割以上のポゼッションを保つマンチェスター・Cだが、その多くは後方での無難なパスワークによるもの。79分にカウンターでディアスがシュートを放ったのが、唯一と言っていい効果的な攻めであり、前半のような相手を押し込む場面もなく、ゴール前に入れるボールはことごとくはね返された。
 
　試合はこのまま動かずに終了。マンチェスター・Cは敗北も、次ラウンド進出を決めた。２戦で考えれば「危なげなく」と言っていいのだろうが、主力メンバーとそれ以外でのレベルの差をどれだけ縮めるか、という課題がチーム、そしてグアルディオラ監督には残された。