リーガ・エスパニョーラ第27節
バルセロナ　－　アトレティコ
３月４日（日）16:15キックオフ（現地時間）／カンプ・ノウ（バルセロナ）

バルセロナ
前節までの成績：１位　勝点66　20勝６分け０敗　69得点・13失点
アトレティコ
前節までの成績：２位　勝点61　18勝７分け１敗　45得点・11失点

［注目ポイント］
●先制点が明暗を分ける？（バルセロナ／アトレティコ）
●アトレティコ攻略の鍵を握るジョルディの攻撃力（バルセロナ）
●直近の２試合で７ゴール。グリエーズマンの爆発は続くか（アトレティコ）
●「クアトロ・ピボーテ」が中盤を制す？（アトレティコ）

 

　２試合続けての大勝は、敵地カンプ・ノウへ乗り込むアトレティコ・マドリーに特大の自信を与えただろう。長く得点力不足が叫ばれてきたディエゴ・シメオネ監督のチームは、直近の２試合で合計９ゴールと荒稼ぎ。うち７ゴールを決めたアントワーヌ・グリエーズマンは、声高らかに完全復活を宣言している。

　一方のバルセロナは、たった１本の枠内シュート（かなり疑わしい判定のPK）を決められドロー（１-１）に持ち込まれた前節（ラス・パルマス戦）のショックを引きずると、かなり危険だ。結局主力選手を駆り出さずにはいられず、イバン・ラキティッチら主力に完全な休養を与えられなかった影響も小さくないだろう。

　どちらが先にゴールを奪うか――。今回の天王山で、もっとも注目されるテーマはこれになる。

　バルサが先制すれば、アトレティコはゴールを奪いにいくため前に出ざるをえなくなり、強力なバルサ・アタック陣にスペースを与えることになる。そうなれば、直近の公式戦３試合で４ゴールを奪っているリオネル・メッシや、25節のジローナ戦でハットトリックを達成したルイス・スアレスらを封じ込めるのは困難になるだろう。

　アトレティコが先にゴールを奪ったなら、彼らはさらに自陣に閉じこもり、時折鋭いカウンターをチラつかせながら、完璧に組織された堅守を披露するはずだ。守備に徹するプレーを、ストレスを感じることなくやってのける彼らは、リーガではここまで17試合でクリーンシートを達成し、わずか11失点に抑えている。さすがのバルサも容易には崩せない。

　その「先制点」を奪ううえで鍵となるのは、バルサは左SBのジョルディ・アルバ、アトレティコはセビージャ戦でも採用されたコケ、ガビ、トーマス・パーテイ、サウール・ニゲスで構成される「クアトロ・ピボーテ」（４人のボランチ）となる。

　メッシに次いでチーム２位の７アシストをマークしているジョルディは、前節のラス・パルマス戦を出場停止で休んでいるだけに、コンディションは万全に近い。メッシとのホットラインが機能すれば、アトレティコの牙城を崩すことも十分可能だろう。

　アトレティコの「クアトロ・ピボーテ」は、豊富な運動量をベースとした守備力もさることながら、コケ、サウールというパスセンスに優れたMFを擁しているのが最大の強みだ。高い位置でボールを奪い、絶妙なタイミングで２トップに素早くパスをつなぐショートカウンターは、セビージャ戦でも猛威を振るっているだけに、バルサ守備陣にとっても脅威であり続けるだろう。

　バルサが勝てば勝点差は８に広がり、アトレティコが勝てばその差は一気に２に縮まる。リーガの覇権の行方を左右すると言っても過言ではない重要な一戦は、日本時間３月５日の午前０時15分にキックオフとなる。