[J１リーグ２節]柏２-０横浜／３月２日／三共F柏

　横浜対策が失敗に終わるも後半に巻き返し、柏は２-０で快勝を収めた。
 
　柏は本来の『４-２-３-１』や『４-４-２』ではなく、『４-３-１-２』で横浜戦に臨んだ。アンカーに細貝萌、右に小泉慶、左にキム・ボギョン。トップ下には江坂任を配置し、２トップにクリスティアーノと伊東純也を並べた。


　選手、システムを替えた意図を下平隆宏監督はこう説明する。
 
「先発を変えたのは連戦があります。あとは、中山雄太が前節退場になって出られなかったことを含め、外国人枠の問題もありました。ハモン（ロペス）も出られる状態ではありましたが、今回はユン・ソギョンとパク・ジョンスを使って、システムを考えました」
 
　中山雄太が出場停止のため、左SBとCBに韓国人のユン・ソギョンとパク・ジョンスを使いたい。そうすると、今度は外国人枠の関係でハモン・ロペスが起用できなくなる。その状況と横浜の特徴を踏まえ、指揮官は先発メンバーを熟考。導き出したのが、中盤をダイヤモンドにする形だった。
 

「ビルドアップを含めて、特殊な形というか、SBがボランチのようにプレーするのはマリノスの特徴であって、それに対応して、こちらもシステムを変えて対応したい」という下平監督の策。しかし、開始から相手のSBを捕まえきれず、面白いようにパスを回されてしまう。

　小泉もその苦戦ぶりを認め、「両サイドバックが中に絞ってくるので、僕とボギョンのところで止められれば良かったのですが、前半はなかなかハマらなくて手こずった」と振り返った。
 
　その状況を変えるべく、下平監督は決断を下す。25分過ぎにシステムを４-４-２に変えたのだ。以降は徐々に相手の攻撃に対応できるように。「後半は４-４-２でスタートして、守備の強度を上げて、疲れてきた選手は代える」という指揮官の狙いは功を奏し、守備から試合の流れを引き寄せて勝利を掴んだ。
 
「本当に我慢比べのようなゲームだったと思います」という一戦を、慣れ親しんだシステムに戻して柏は制した。しかし、それが出来るのも立ち返る場所があってのもの。下平監督が３年を掛けて築いたチームに、確固たるベースがあることを証明する勝ち方だった。

取材・文●松尾祐希（サッカーダイジェストWeb編集部）

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