「バグダッドやパレスチナでもやる」窮状の元アーセナル戦士が胸中激白!

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年02月07日

「銀行口座に金が残っていないなんて…」。

アーセナル時代にはヴェンゲルの薫陶を受け、主力として活躍したエブエ。しかし、今は……。 (C) Getty Images

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 かつてアーセナルで活躍したスターも34歳となり、その人生は困窮の一途を辿っている。元コートジボワール代表DFエマヌエル・エブエの波乱万丈のキャリアに光明が差し込む兆しはないようだ。
 
 エブエは、2005年から2011年までアーセナルに在籍。チャンピオンズ・リーグ準優勝などに貢献した後、2011年8月にトルコの強豪ガラタサライに渡って5年間プレーした。また、コートジボワール代表としても2度のワールドカップ(2006年、2010年)に出場するなど、かなりの実力派DFだった。
 
 しかし、エブエのキャリアはここ数年で一変した。
 
 2016年3月にサンダーランドへ加入した直後、元代理人とのトラブルにより国際サッカー連盟(FIFA)から1年間の出場停止処分を受け、さらに今年10月にはキプロスのリマソルとサインするも、翌日に健康上の問題を理由に一方的に契約を解除されるという事態にも見舞われ、現在に至るまで無所属の状態が続いている。
 
 さらにプライベートでも、昨年12月末に英紙『Mirror』の取材に対し、ベルギー人の妻オーレリーさんとの離婚裁判に敗れ、ほぼすべての財産を失ったことを激白。警察の目を逃れるため、友人の家で借り暮らしをしていると語っていた。
 
 そんなエブエは、いまだ仕事を得られていない。昨年12月に古巣ガラタサライがコーチ就任を打診したという報道が英国内でも飛び交ったが、それも契約には至らなかったようだ。
 
 では、今現在は何をしているのか? これについてエブエ本人がフランス・メディア『Canal+』の取材に応じ、現況とその胸中を語っている。
 
 家族との縁が切れ、「完全に一人になってしまった」というエブエは、自らの人生を「映画のような世界で、自分がそんなことになるなんて思ってなかった」と語り、さらにサッカー界に対する想いもこぼしている。その言葉は実に辛辣だ。
 
「サッカー界は、恩知らずな連中が蔓延っている。才能なんか関係なく、金とビジネスが優先されるんだ。家で僕の友人がサッカーをしている映像を見ると、辛くて涙が出る。彼らは幸せそうだが、自分はどうだ? 離婚して以来、銀行口座に何も残っていないなんて……信じられない」
 
 それでも元コートジボワール代表は、ピッチに戻ることを渇望している。それは金や名誉のためではなく、あくまで「純粋にプレーしたい」という想いからだという。
 
「僕が望んでいるのはもう一度、サッカー選手としてピッチに戻ることだよ。まだ十分にやれるだけの能力があるんだ。場所はどこだっていい。バグダッドやパレスチナだろうと、サッカーをするだけだと思っているから気にしない」

 昨年11月に来日した際に『サッカーダイジェストWeb』の取材に応じたときには、「日本のクラブからでもオファーされればやる。すべては神の手の中にある」と明かしていたが、はたして、元アーセナル戦士に活躍の場は与えられるのか? 引き続きその動向に注目したい。
 
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