【番記者通信】「デシマ」が遠ざけたリーガの覇権|R・マドリー

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2014年05月16日

CL決勝進出を決めてからは2分け1敗。

セルタに敗れ、リーグ優勝の可能性が消滅。正面きって2冠を狙う力はなかったということか。 (C) Getty Images

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「デシマ」(スペイン語で10の序数。ここでは10回目のチャンピオンズ・リーグ優勝を指す)へのこだわりが、リーガ・エスパニョーラのタイトルを遠ざけた。とはいえ、それは言い訳にならないし、失速の理由をデシマに帰するのは間違いだ。
 
 まず指摘したいのは、強いメンタリティーの欠如だ。0-2で敗れた37節のセルタ戦後、ある選手がこう打ち明けた。ホームでバルセロナに3-4(3月23日の29節)で負けてから、リーガではチームの歯車が狂っていった、と。その時から、意識的にか無意識的にか、デシマにグッと気持ちが傾いていったという。
 
 たしかに、クラシコ翌週のセビージャ戦は、完全に気が抜けていた。2失点はいずれもミスによるもので、覇気のないリーガでの戦いぶりは、CLの決勝進出を決めてから、顕著になった。選手の意識は完全にデシマへと移っていったのだ。バイエルンを下してファイナル進出を決めてからの成績は、2分け1敗だ。
 
 これについては、カルロ・アンチェロッティ監督にも責任があるだろう。CLでの成功は称賛に値するが、リーガ優勝に向けて選手たちをモチベートできず、采配にも疑問を残した。前述のセルタ戦、勝てばまだ逆転優勝への望みがあった。だが、明らかにCL決勝を見据えたレギュラー組の温存で、みずからタイトルのチャンスをドブに捨てた。
 
 もっとも、詰まるところは、正面きってCLとリーガの優勝を狙えるだけのチーム力がなかったということだ。ちらほら聞こえる世界最強との呼び声は、明らかに過大評価だ。イスコはメスト・エジル(アーセナル)の後釜として十分なパフォーマンスを見せられず、アシエル・イジャラメンディは、シャビ・アロンソのバックアッパーとしてはまだまだ不十分だった。
 
 そのイジャラメンディを批判する向きがあるが、チーム力の不足を彼になすりつけるのはさすがにお門違いだ。シーズンをほぼ丸々棒に振ったサミ・ケディラをはじめ、マルセロやラファエル・ヴァランヌの負傷離脱は小さくない痛手だった。
 
 3冠を狙うのであれば、陣容の拡充、ベンチ要員の補強は欠かせない。
 
【記者】
Luis MARTIN|El Pais
ルイス・マルティン/エル・パイス
スペインの一般紙『エル・パイス』のバルセロナ番とスペイン代表番を務めるエース記者。バルサの御用新聞とも言えるスポーツ紙『スポルト』の出身で、シャビ、V・バルデス、ピケらと親交が厚く、グアルディオラ(現バイエルン監督)は20年来の親友だ。
 
【翻訳】
豊福晋

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