現地時間11月26日、リーガ・エスパニョーラ第13節では１位のバルセロナが勝点４差で２位につけるバレンシアと対戦。無敗同士の一戦は、１-１の引き分けに終わった。

　バレンシアは怪我でジェイソン・ムリージョを、バルセロナは累積警告によりジェラール・ピケをそれぞれ欠いた以外は、ほぼベストと言える布陣。まさしく頂上決戦にふさわしい豪華な顔ぶれがバレンシアのホームスタジアム、メスタージャのピッチに集結した。

　互いに探り合うような、静かだが緊張感のある序盤戦を経て、10分を回ったあたりから両チームにエンジンがかかり始める。

　最初に主導権を握ったのはバルサだった。自慢のポゼッション・フットボールでバレンシアを自陣に閉じ込め、敵の守備網にほころびを作る作業が結実したのは30分、リオネル・メッシが一瞬の隙を突いてゴール正面からダイレクトで放ったシュートが、バレンシアGKネトの手を弾いてゴールラインを越える。

　しかし、VTRで確認すれば明らかにゴールだったが、ネトの必死のかき出しがレフェリーのミスジャッジを誘い、判定はノーゴール。バルサの猛抗議は聞き入れられなかった。

　だがその後も、メスタージャのスタンドを埋めたバレンシアのサポーターが目にしたのは、別格とも言えるバルサの強さだった。

　パウリーニョがフリーマンのごとく敵陣内を駆け回り、回収したボールを安全地帯まで運んでは、メッシやアンドレス・イニエスタらボールマジシャンにあずける。彼らの前ではバレンシアが誇る組織だったディフェンスも意味を成していなかった。

　ともに無敗を貫き、総得点も33で並ぶ両チーム。それでも１位と２位の間には明確な力の差が存在していた。

　しかし、前節のエスパニョール戦でも絶望的な展開から勝利をもぎ取るなど、今シーズンのバレンシアには簡単に勝利をあきらめない粘り強さがある。60分の先制ゴールはまさにその象徴だった。

　それまで守備に専念していた左サイドバックのホセ・ルイス・ガヤがオーバーラップを仕掛け、クロスを撃ち込む。これをロドリゴがニアで合わせてマルク＝アンドレ・テア・シュテーゲンの堅守を破ったのだ。

　得点者のロドリゴに付いていたのは、この試合が今シーズン初の公式戦出場となるトーマス・ヴェルメーレン。バルサにとっては、ピケの欠場がここで大きく響いた。

　バルサのエルネスト・バルベルデ監督は、ジェラール・デウロフェウ、デニス・スアレスと、若く攻撃的な選手を立て続けにピッチに送り込み、さらにアレイシ・ビダルも投入。血を入れ替えたバルサは少しずつ盛り返した。

　そして82分、バルサに同点ゴールが生まれる。メッシがDFラインの裏に送り込んだ浮き球のパスに反応し、鮮やかなダイレクトボレーを叩き込んだのは、左サイドバックのジョルディ・アルバだった。

　４分のアディショナルタイムの間も互いに攻め合い、最後の一瞬まで決定機を作り続けた好ゲームは、１-１のドローという結果に終わっている。