「なぜハセベを呼んだんだ?」膝が万全ではない長谷部誠の代表招集に独紙が苦言

カテゴリ:海外日本人

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年11月01日

フランクフルトの指揮官は、「気を配らなくてはいけない」と状態を危惧。

メンタルリーダーの長谷部は日本代表にとって欠かすことができない存在。しかしそれは、フランクフルトも同様である。(C) Getty Images

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 11月の欧州遠征へ向けた日本代表メンバー25人が発表され、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「彼は戻ってきた」と、長谷部誠を紹介した。
 
 言わずと知れた精神的支柱で、日本代表にとって欠かすことのできない主将だ。ボスニア・ヘルツェゴビナ人指揮官の決断は当然と言えば当然なのだが、長谷部のコンディションはいまだ芳しくない。ドイツの全国スポーツ紙『Bild』は、今回の代表選出に疑問を投げかけている。
 
 ドイツに渡ってから9年、長谷部はブンデスリーガでの戦いで膝を酷使してきた。その結果、ヴォルフスブルク時代に左膝の半月板に、ニュルンベルク時代に右膝の半月板にそれぞれメスを入れ、今年3月には軟骨の手術に踏み切るなど、慢性的な痛みに悩まされている。
 
 今シーズンはブンデスリーガで10試合中8試合に出場するなど回復傾向にはあるものの、別メニュー調整を行なうことも少なくない。10月27日のマインツ戦(ブンデスリーガ10節)は、「軽い違和感を覚えているため(所属するアイントラハト・フランクフルトのツイッター)」に欠場した。
 
 そんな慢性的な膝の問題を抱える日本代表MFについて、気を揉んでいるのがニコ・コバチ監督だ。『Bild』紙がそのコメントを紹介している。
 
「ハセべはマインツ戦の出場を望んでいたが、彼はいまも膝に痛みを抱えている。私はその状態を考慮し、チームのことも考えなければいけなかった。彼はもう若手ではないのでね。あと1年、最後までプレーできるように、気を配らなければいけない」
 
 フランクフルトと長谷部の契約は2018年6月までだが、『Bild』紙によれば、クラブ側はリベロで新境地を開拓した“日本のマテウス”との契約延長を希望しており、それにあたってコンディション面を危惧しているという。
 
 長谷部の現状について同紙は、「身体さえ動けば契約を延長できる。しかし、チームで2番目の33歳となり、プレーに限界が見えつつある」と綴り、「チームは起用に慎重になっている」とまとめた。そして、「ハリルホジッチはハセベを招集した。コバチが休養を与えたいと考えているのに、なぜ呼んだのか?」と、万全ではない長谷部の日本代表招集に苦言を呈した。
 
 11月の欧州遠征では、ブラジルとベルギーという強豪国とインテンシティーの高いゲームが繰り広げられるだろう。はたして、痛みが完全に消えていない長谷部に出場機会は訪れるのだろうか。
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