アジア通の英国人記者が解き明かす! 打倒浦和を目論むアル・ヒラルの力量

カテゴリ:Jリーグ

マイケル・チャーチ

2017年10月24日

AFC主催のカップ戦決勝では日本勢と4度対戦して……。

ACL決勝で雌雄を決する浦和とアル・ヒラル。果たして、その結末は? 写真:サッカーダイジェスト、Getty Images

画像を見る

 リヤドに本拠を置くアル・ヒラルは自らを「アジアの世紀のクラブ」と謳う。それは1980年代後半から2000年代序盤にかけて、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の前身であるアジアクラブ選手権で優勝2回、準優勝3回の実績を誇ったからであり、域内を代表するクラブと自負しているのだ。

 
 しかしながら、その期間は彼らの絶頂期と言うべきで、2000年の優勝を境にアジアでの存在感は薄れていった。2014年にはACLと名称が変わってから初の決勝に進出したが、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズに敗れて準優勝。3年ぶりに決勝へ戻ってきた彼らは、今度こそ頂点に立ち、ACLのトロフィーを手にしようと意気込んでいる。
 
 黄金期のチームには当時のサウジアラビア代表の主軸が顔を揃えていたが、元Jリーガーのラモン・ディアス監督率いる現チームにもタレントは揃う。
 
 なかでもエースストライカーのオマル・カルビンは、浦和レッズが最も注意すべき選手だ。この23歳のシリア代表は今大会中随一の決定力を誇り、その風貌と猛々しいプレースタイルから、スペイン代表FWジエゴ・コスタと比較されるほど。準決勝の2試合で5得点を積み重ね、今大会通算8ゴールで得点ランキングのトップに立っている。
 
 中盤で創造性を発揮するのはサウジアラビア代表のふたり、アル・ファライとナワフ・アル・アベドだ。またウルグアイ人のニコラス・ミレシはセットプレーの名手で、絶妙なボールを味方に届ける。主なターゲットは空中戦に強いカルロス・エドゥアルドとなり、このブラジル人は中盤の全域で高質な仕事を約束する。
 
 最終ラインを束ねるのはベテランのオサマ・ハウサウィだ。高さと強さ、そして豊富な経験を備えるこのCBは、サウジアラビア代表と同じ仕事をぬかりなく遂行する。
 
 アル・ヒラルはアジアの大会の決勝で4度、日本勢と対戦している。1986年のアジアクラブ選手権で古河電工、1987年に同大会で読売クラブに敗れているが、以降は2勝──1996年のアジアカップウィナーズカップ決勝で名古屋グランパスエイトを、2000年のアジアクラブ選手権決勝でジュビロ磐田を下しているのだ――。
 
 おそらく苦手意識はないし、ディアス監督はかつてプレーした日本のサッカーをよく知っているはずだ。10年ぶりのアジア制覇を目指す浦和の前に、難敵が立ちはだかる。
 
文:マイケル・チャーチ
翻訳:井川洋一
【関連記事】
浦和を去って2年――。愛媛で輝きを増すプラチナ世代MFの理想像は「啓太さん」
獲得タイトルは驚愕の57個! 浦和がACL決勝で戦う「アル・ヒラル」ってどんなクラブ?
「恥ずべき敗北」「外国籍選手に頼りすぎだ」レッズに敗れた上海上港を中国メディアが糾弾!
【浦和】ACLでの堅守はどこへ? DF槙野は“ある問題”を指摘「正直言うと…」
「美人パートナー」がFIFA授賞式を彩る! 堂々と“イチャつく”カップルも

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年7月号
    6月10日(火)発売
    今、面白いクラブを総力特集‼
    ファジアーノ岡山
    徹底読本
    クラブが辿った奇跡のストーリーに迫る
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年6月19日号
    6月5日発売
    クラブワールドカップ2025
    出場32チーム選手名鑑
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ