トッテナム・ホットスパーのマウリシオ・ポチェティーノ監督が噛み付いたのは、手塩にかけて育ててきたチームを小ばかにされたと感じたからだ。「プレミアリーグの覇権を争うライバルはどこか？」と報道陣に問われたのは、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督。その回答の一部が引っ掛かった。
 
「チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、それから“ハリー・ケイン・チーム”だ」
 
　これを聞いたポチェティーノ監督は「私はペップ（グアルディオラ監督の愛称）のことをよく知っているし尊敬もしているが」と前置きしたうえで、「あの言い方はない。非紳士的でリスペクトを欠いている」と怒りをぶちまけたのだ。　クラブでも代表でもゴールラッシュを続けているケイン。指揮官は“ケインだけのチームだ”と揶揄されたように捉えたのだろう。
 
　ポチェティーノの怒りを伝え聞いたペップは、翌金曜日の記者会見で弁明した。「待ってくれ、まるでそんな意図はない。私のこれまでの言動を聞けば分かるだろう。誰に対してもリスペクトを欠いたことはない」と冒頭で語り、こう続けたのだ。
 
「私が“ハーリ・ケイン・チーム”と言ったのは、彼の活躍が目覚ましく、その印象がとても強く残っていたからだ。もちろんスパーズ（トッテナムの愛称）はチームとして高い完成度を誇っていて、この２、３年のパフォーマンスを私はとても興味深く見てきた。実にアグレッシブで、好みのチームだよ。まったくの誤解だ。彼らは昨シーズン、我々より上の順位で終えているわけでね」
 
　かつてペップはバルセロナを率い、ポチェティーノはエリアライバルのエスパニョールで指揮を執っていた。バルセロナ・ダービーで火花を散らした両雄ながら、ポチェティーノ監督は「とても良好な関係を築いていた。今回も私の発言を受けて彼は電話をしてくるだろう」と話していた。
 
　最後にペップはこう話して、事態の終息を願った。
 
「こんなことになるなら、“ポチェティーノ・チーム”って言っておけばよかったな。いずれにせよ彼と話してみるよ」