今年4月にレンタル移籍先のボーンマスで左足腓骨を骨折し、シーズンを棒に振っていたウィルシェア。アーセナル復帰後はトップチームではなくU-23チームで調整を続けていた。
ここ数シーズンは故障続きで、真価を発揮できていないウィルシェアが問題を起こしたのは、現地時間8月21日に行なわれた各クラブのU-23チーム同士で争われるプレミアリーグ2の第2節、マンチェスター・シティ戦だった。
63分、中盤でボールを捌いたウィルシェアに17歳の相手MFマット・スミスが猛然とタックルを見舞った。この紛れもないレイトタックルでピッチに叩きつけられた25歳のイングランド代表は憤慨し、立ち上がりざまに、スミスを突き飛ばしたのだ。
さらに加勢に加わったマンチェスター・CのDFタイレク・ウィルソン(17歳)とも掴み合いとなったウィルシェアは一発レッドを命じられ、ウィルソンとともにピッチを去ることに……。
事はそれだけでは終わらなかった。ドレッシングルームに向かう通路に入ると、そこでもウィルシェアとウィルソンが揉めはじめたのだ。すかさず、両軍のスタッフが引き離して事なきを得たが、その振る舞いは明らかに冷静さを欠いていた。
そんなウィルシェアの一連の問題行動を大々的に伝えたのは、英国大衆紙『サン』だ。
同紙は、ウィルシェアが退場になった経緯を伝え、危険なタックルを受けたことで情状酌量の余地があるとしつつも、「この日のウィルシェアは中盤を支配していた。しかし、若手に対するあの衝撃的な対応を見るに、その気質と精神状態を疑わざるを得ない」と、その暴力行為を糾弾した。
この酷評にすぐさま反応したのは、他でもないウィルシェア本人だった。
サン紙の記事ツイートに対して彼は自身のツイッターで、「夕方のサン……。興味深いからもっと聞かせてくれよ。俺のどん底キャリアについてどう考えているのかを」と投げかけ、「あんたたちの周りをブラブラしているから、楽しみにしててくれ」と、脅迫めいた言葉を残したのだ。
2008年に16歳の若さでアーセナルのトップチーム・デビューを飾ったウィルシェア。しかし、ここ数年は怪我やプライベートでの喫煙騒動などがメディアを騒がすなど、そのキャリアは下降気味だ。
「33人は管理しきれない。多すぎる」と、複数選手の売却を示唆するアーセン・ヴェンゲル監督の言葉を考えれば、アーセナル生え抜きの天才MFもうかうかしてられないだろう。気持ちは分からないでもないが、大衆紙に対してSNSで文句を言うよりも、まずはプレーで見返してもらいたいものだ。
