【鹿島×札幌】黄金世代の両雄が競演! ミツオとシンジが互いに抱いた想いとは?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年06月18日

ポジションを取る小野に、小笠原が反応するが――。

ボールがある局面でのマッチアップはなかったが、久しぶりに同じピッチで小笠原と小野。ともに「もっと長くやりたかった」と惜しんだ。写真:徳原隆元

画像を見る

[J1リーグ15節]鹿島3-0札幌/6月17日/県立カシマサッカースタジアム
 
 至福のひとときは、あっという間に過ぎた。
 
 アディショナルタイムを含めれば、10分と少し。限られたプレータイムを、常勝軍団の闘将は「もう少し、長い時間やりたかったけどね」と、柔らかい笑顔を見せて振り返った。
 
 80分、札幌はこの日、3枚目の交代カードを切る。河合竜二に代わり、背番号44がタッチラインをまたぐ。“天才”の名をほしいままにしてきたファンタジスタの登場だ。
 
 1999年のワールドユースでファイナリストとなったU-20日本代表。いわゆる「黄金世代」だ。時代の寵児となった彼らも、いまやアラフォーと呼ばれる年齢になった。
 
 すでに現役を退いている者がいる一方で、あの頃と変わらず、日本のトップディビジョンでその雄姿を見せている者もいる。
 
 鹿島の小笠原満男と、札幌の小野伸二。かつて日の丸を背負い、ともに世界の舞台で戦ったふたりが、久しぶりに同じピッチに立った。
 
 中盤でパスを受けようとポジションを取る小野に、ボランチの小笠原が反応する。距離を縮める両雄のもとにボールが転がってくれば――。だが、コトはそう上手く運ばなかった。
 
「マッチアップする場面はなかったけど、鹿島を良い形で支えている選手だなってあらためて思った。本当に良い選手だなって」
 
 そう語る小野に、“もう少しやりたかった”という小笠原の言葉を伝えると、「そうですね。本当は最初から出て戦いたかったけど、チームのやり方があるので。もっと長くやれたら良かったと思う」と同調する。
 
 小笠原にとって、小野は「昔もいまも、ずっと俺の前を走っているひと」だという。だから、「ついていけるように頑張りたい」と言葉に力を込める。
 
 もっとも、小野からすれば「いやいや、彼のほうが前を走っているでしょ。僕が追いつけるように頑張りたい」と敬服する。
 
 盟友であり、ライバル。互いにリスペクトし合い、高め合うふたりは、これからも走り続ける。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【鹿島 3-0 札幌 PHOTO】スピードサッカーで3点を奪取した鹿島がホームで完勝
【関連記事】
【黄金世代・秘話】小笠原満男が明かす、オノシンジの図抜けた「人間力」
【黄金世代】第3回・小笠原満男「誕生、東北のファンタジスタ」(#1)
【黄金世代】第1回・小野伸二「なぜ私たちはこのファンタジスタに魅了されるのか」(♯1)
【黄金世代】第2回・遠藤保仁「コロコロPKの真実」(♯3)
【J1採点&寸評】鹿島 3-0 札幌|スピーディな攻撃を演出し、2アシストの中村がMOM
【黄金世代・復刻版】1999 U-20日本代表メモリアル「最強の名のもとに」前編
【鹿島】J1通算500試合出場の偉業。それでも小笠原満男と曽ヶ端準の姿勢は変わらない

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ