自身4度目の欧州制覇に王手も「もっと大きな夢を抱いている」

カーディフ入りしてからもリラックスした様子のD・アウベス。このCLを制すると、自身の通算獲得タイトル数が36となり、ライアン・ギグスと並んで最多になるという。 (C) Getty Images
「こんな素晴らしい日を迎えられて最高だ。自分たちにしか味わうことができない、この素晴らしい瞬間を楽しむよ。対峙する相手が誰だとか、そういうのは関係ない。明日をより良い日にしたいと思う」
チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝の前日会見でユベントスのダニエウ・アウベスは、まず同胞のマルセロとの対戦について聞かれ、そう答えた。
この34歳のブラジル代表はシーズン終盤になって尻上がりに調子を上げており、マルセロとの至高のSB対決は、ファイナルの論点のひとつになっている。
だが、すでに3度の欧州制覇を誇るベテランは、それよりも楽しむことが重要だと考えているのだろう。終始リラックスした表情で、時に人々の笑いを誘い、時に身振りをまじえて、ユベントスでの初戴冠についてポジティブに話した。
「普段通り、とてもよく眠れたよ。しっかり身体を休めて、目が覚めたらまたハードワークが始まるわけだからね」
精神面でもいつもと変わらぬ様子の彼は、粋な言葉を連ねる。
「縁があってこのチームに入った。僕が(バルセロナで)味わった夢を(ユベントスの仲間と)共有したいんだ。特にジジ(ジャンルイジ・ブッフォン)のような偉大な選手とね」
周知の通り、ブッフォンはここまでまだ、欧州王者のタイトルを手にしていない。過去に2度、決勝を戦いながら、どちらも敗れている。アウベスは隣に座った守護神を思いやるように、次のように続けた。
「(CLを初制覇したからといって)ジジのキャリアが大きく変わるとは思わないけど、彼の歴史にまたひとつ素晴らしいチャプターが書き加えられることにはなるだろうね。彼が引退する前に、共にトロフィーを掲げることができたら、僕にとっても実にスペシャルなことだよ」
そうなれば、D・アウベスは4度目のCL覇者となり、それは最多タイ記録(チャンピオンズ・カップ時代を含まない)となる。ただしそれもまた、彼にとっては大きな意味を持たないようだ。
「そういったことは本当に考えていないんだ。なぜなら、僕はもっともっと大きな夢を抱いているからね。自分のことよりも、チームで何かを成し遂げることが好きなんだ。心から、そう思っているよ。チームスポーツの選手として、そこに情熱を感じるし、それが僕の人生の目標、つまり夢なんだ」
バルセロナとの準々決勝でネイマールに仕事をさせず、モナコとの準決勝で見事なボレーシュートを決めたD・アウベスは、会見後のトレーニングセッションでもキレのある動きを見せ、ボックス付近からのFKの練習でも鋭いシュートを次々に放っていた。
「(元バルセロナ所属だからといって、この試合で)自分が他のチームメイトより重要だとは思っていないよ」
本人はそう謙遜するが、現在の調子とその経験を考慮すれば、ユベントスの右サイドが決勝でのキーポイントとなると言っても過言ではない。
現地取材・文:井川 洋一
チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝の前日会見でユベントスのダニエウ・アウベスは、まず同胞のマルセロとの対戦について聞かれ、そう答えた。
この34歳のブラジル代表はシーズン終盤になって尻上がりに調子を上げており、マルセロとの至高のSB対決は、ファイナルの論点のひとつになっている。
だが、すでに3度の欧州制覇を誇るベテランは、それよりも楽しむことが重要だと考えているのだろう。終始リラックスした表情で、時に人々の笑いを誘い、時に身振りをまじえて、ユベントスでの初戴冠についてポジティブに話した。
「普段通り、とてもよく眠れたよ。しっかり身体を休めて、目が覚めたらまたハードワークが始まるわけだからね」
精神面でもいつもと変わらぬ様子の彼は、粋な言葉を連ねる。
「縁があってこのチームに入った。僕が(バルセロナで)味わった夢を(ユベントスの仲間と)共有したいんだ。特にジジ(ジャンルイジ・ブッフォン)のような偉大な選手とね」
周知の通り、ブッフォンはここまでまだ、欧州王者のタイトルを手にしていない。過去に2度、決勝を戦いながら、どちらも敗れている。アウベスは隣に座った守護神を思いやるように、次のように続けた。
「(CLを初制覇したからといって)ジジのキャリアが大きく変わるとは思わないけど、彼の歴史にまたひとつ素晴らしいチャプターが書き加えられることにはなるだろうね。彼が引退する前に、共にトロフィーを掲げることができたら、僕にとっても実にスペシャルなことだよ」
そうなれば、D・アウベスは4度目のCL覇者となり、それは最多タイ記録(チャンピオンズ・カップ時代を含まない)となる。ただしそれもまた、彼にとっては大きな意味を持たないようだ。
「そういったことは本当に考えていないんだ。なぜなら、僕はもっともっと大きな夢を抱いているからね。自分のことよりも、チームで何かを成し遂げることが好きなんだ。心から、そう思っているよ。チームスポーツの選手として、そこに情熱を感じるし、それが僕の人生の目標、つまり夢なんだ」
バルセロナとの準々決勝でネイマールに仕事をさせず、モナコとの準決勝で見事なボレーシュートを決めたD・アウベスは、会見後のトレーニングセッションでもキレのある動きを見せ、ボックス付近からのFKの練習でも鋭いシュートを次々に放っていた。
「(元バルセロナ所属だからといって、この試合で)自分が他のチームメイトより重要だとは思っていないよ」
本人はそう謙遜するが、現在の調子とその経験を考慮すれば、ユベントスの右サイドが決勝でのキーポイントとなると言っても過言ではない。
現地取材・文:井川 洋一