シーズン序盤の負傷の影響もあり、チーム内での熾烈な競争に加えて、チームは残留争いに巻き込まれるという精神的に厳しいシーズンと送ってきた武藤嘉紀。
 
　それでも怪我から復帰すると、限られた出場時間のなかで、着実にゴールを決め続け、チームを残留へと導く重要なゴールを決めるなど、成長続ける姿はこれからの活躍を期待させてくれた。
 
　その武藤が来シーズンのブンデスリーガ、日本代表での戦いに向けて、新たしい武器として“ネメシス”を選んだ。武藤が「パーフェクト」と評価し、惚れ込んだスパイクについて語った。
 
―――――まず今シーズンを振り返ってみて成長した点は？
 
メンタル面ですね。色々な考え方が出来るようになったなと思います。怪我をしてコンディションが上がらない中、何をやって自信がないプレーをしてしまったり、自分が思っているプレーを出せなかったりすることが多かったです。
 
　そんな中で自分のプレーに迷いや怖さを抱えていることをもったいないと思うようになりました。せっかくチャンスを貰っているのであれば、ミスを怖がるよりも、自分が思ったプレーを出してミスをしたほうが絶対に自分にとってプラスだなと気が付いて、それからは恐れずに思い描いたプレーを表現していったことで、コンディションも上がってきたなと感じましたね。
 
―――――シーズンを通して状況が変わるターニングポイントはどこだったでしょうか？
 
　そうですね、ライプツィヒ戦（ブンデスリーガ27節、●２-３）ですかね。自分は途中出場した試合だったんですけど、定位置が奪えていない状況だったので、とにかく『出たら必ず点を取ってやる』、『誰に何と言われようとも自分がゴールを取る』という気持ちを押し出して望みました。それで実際にゴールも決められたことで、次の試合は先発で試合に出ることになって、この試合がターニングポイントになったと思います。
 
―――――今後の課題は？
 
　ゴール前で落ち着いてプレーすることですね。日本人選手はよくキーパーとの１対１は緊張してバタつくことが多いと思います。逆に外人選手たちは楽しんでプレーしている印象なので、キーパーとの駆け引きを楽しめる選手になりたいと思います。
 
―――――ドイツ・メディアで「日本のメッシ」と言われているのを見かけましたが、いかがでしょうか？
 
　いやいやいや！ もう、メッシ選手に申し訳ないです（笑）自分は自分なので武藤嘉紀として評価される活躍をしたいなと思います。
 
―――――ブンデスリーガで戦うなかで、プレー面で変化はありますか？
 
　FC東京の時はどんどんドリブルで攻めっていていましたが、ドイツでは体の大きい選手も多く、単純に不利な場面も多いので、味方をシンプルに使って、また自分が出ていくような効率の良いプレーが出来るようなってきました。
 
―――――さて、それでは新しいスパイクについてお聞かせください
 
　今まではACEを履いていましたが、これまでと違うと思ったのはフィット感ですね。スパイクが足を包んでくれる感覚で、中ずれもないので、自分の思ったプレーが出来ると思います。
 
　これまで本当に自分にパーフェクトに会うスパイクはなかったですが、今回のネメシスはきたなと（笑）。自分のプレーにも、足にも合うので、自分の良さを最大限に引き出せるという実感が得られているので、これまでよりもさらにゴールを狙えると思います。
 
―――――最大の目標はやはりゴールですか？
 
　もちろん、そうですね。やはりFWである以上はゴールの数が最大の評価材料になるので、ネメシスで量産したいです。