【柏】浸透する新守備戦術。〝齋藤封じ″は巻き返しの第一歩に過ぎない

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2017年04月24日

守備面は確実に改善され始めている。

横浜戦ではとりわけ組織的な守備が光った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 2-1で勝利した7節の神戸戦後、キャプテンの大谷秀和は〝粘り強く″戦う重要性を説いた。

「清水戦とかは、お互いチャンスがあったりピンチがあったりするなかで自分たちが我慢しきれなかった。でも今日はそういう瀬戸際で後ろの選手、シン(中谷進之介)が止めたり、(中村)航輔が止めたり。向こうも(決定機を)決めていればという結果で紙一重だった。でもそこを防ぐかどうかでサッカーの結果は変わるので、そこで最後まで粘り強くやったことが結果につながった。そういう部分は続けていける」
 
 そして迎えた8節の横浜戦は2-0で勝利。まさに我慢強い守備を継続した結果の連勝劇だった。
 
「良い(試合の)入りをして、PKでしたけど、先に点を取れたのはやっぱり大きかった。後半は少し受けに回ってしまった時間も長かったけど、今までそこで失点していたところを、航輔を中心に後ろの選手が踏ん張りながら、無失点で終われた」(大谷)
 
 この日は、両サイドからのアタックが機能し、25分、27分と幸先良く2ゴールを奪取。早々に先制点を取れたことで、プランどおりに試合を運べたのは間違いないだろう。ただ、横浜の守備陣をかく乱しながらスピーディに前線へと押し進む攻撃と同じくらい、いやそれ以上に素晴らしかったのが、組織的で強固な守備だ。
 
 開幕当初は安定感を欠き、3節終了時点でリーグ最多タイの6失点と脆さを感じさせたが、その結果を受け、下平監督は3月のルヴァンカップ・清水戦からプレッシング型の守備戦術へのシフトさせる。

 ただ、急な変更は、すぐにはうまくいかない。4節の仙台戦や6節の清水戦では、形は見えたものの、前掛かりになりすぎて、前線からのプレスを掻い潜られた際にカウンターを浴びる場面も少なくなかった。
 
 しかし横浜戦では、大谷が「まずは前からいく時といかない時をはっきりさせようと。そこは、ピッチの中でしっかり話しながらメリハリは持っていた」と言うように、プレスのかけどころが明確になっていた。
 
 前半は主に、後方からつないでくる横浜に対し、前線から連動したハイプレスを仕掛けて齋藤学へのパスコースを遮断。例え、齋藤にパスが渡っても素早く囲い込み、相手のエースを孤立させた。対抗するように相手のロングボールが増えた後半は、少し引き気味に守り、これに対応。見事な押し引きの判断で、相手の攻め手を打ち消した。

 8節終了時点でクリーンシートはわずか2試合のみ。しかし、徐々に戦術は浸透しており、守備面は確実に改善され始めている。上昇気流に乗る気配は十分だ。次節の新潟戦でもプレスの〝メリハリ″をつけ、この完封勝利がフロックではなかったことを証明したい。
 
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取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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