【検証|鳥栖戦】歓喜のち悲鳴。なぜFC東京の守備ブロックは突如、決壊したのか

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2017年04月04日

同じようなシチュエーションは昨季の浦和戦でも…。

どこか精彩を欠いたCBの森重。写真:サッカーダイジェスト

画像を見る

【J1リーグ5節】FC東京 3-3 鳥栖/4月1日/味スタ
 
 まさかの展開だった。終盤の86分に3-1と鳥栖を突き放しながらも、その後の数分間で2失点。負けに等しいドローで勝点2を失ってしまった。
 
 では、なぜFC東京の守備ブロックは突如として決壊したのか。
 
 そもそも、この日の守備陣は前半からあまり安定していなかった。頼みの森重、丸山の両CBが精彩を欠き、開始4分にはPK(厳しい判定にも見えたが……)を、67分にはイバルボのチャンスメイクから決定機を与えている。
 
 それを踏まえると必然の決壊とも言えるが、とはいえ見逃せないポイントはある。終盤85分のCB吉本の投入だ。CBを2枚から3枚に増やし、5バック(室屋、森重、吉本、丸山、太田)に近い形で守るようになってからよりバランスを崩したようにも見えた。具体的には、人数は揃っているものの、不慣れなシステムのせいかマークの受け渡しが不十分で鳥栖のロングボール攻撃に後手を踏んでいるように映ったのだ。
 
 FC東京が吉本を投入して「守りますよ」となったおかげで、鳥栖は良い意味で吹っ切れたかもしれない。「ならば、こっちは守りを気にせずに攻めますよ」と。
 
 実際、吉本投入後のFC東京はロングボールを多用し、つなぐ意識があまり見られなかった。そうした消極的なスタンスのせいで、試合の流れを失ってしまったという見方もできるだろう。
 
 実を言えば、FC東京はシステム変更をきっかけに敗れた試合が他にもある。例えば、昨年9月17日の浦和戦。1-0で迎えた58分にCBの丸山を投入して5バックに近い形にすると、浦和にボールの主導権を完全に握られる。そして、77分、85分、87分と立て続けにゴールネットを揺さぶられ……。1-3で敗れてしまったのだ。

 浦和戦では丸山が、鳥栖戦では吉本が失点に絡んでいるが、果たして単なる偶然なのか。
 
 シチュエーションは多少違うとはいえ、篠田監督は浦和戦と同じようなミスを犯した。鳥栖戦で引き分けたのは、指揮官の采配に問題があったから──。そう非難されても仕方のない部分はありそうだ。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
【関連記事】
日本サッカーを彩る「美女サポーター」たちを一挙に紹介!
【ルーツ探訪】太田宏介の“知られざる感動秘話”。ゴールなき母親孝行
FC東京サポーターの前で号泣…。権田が“その心情”を激白
【FC東京】「ラグビーかな…」。大久保が機能不全のチームに強烈なダメ出し
権田に伸し掛かった、想像を絶するプレッシャー。味スタは“複雑な場所”だった

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ