現地時間１月30日、ブラジル代表歴を持つFWアレッシャンドレ・パットが、イタリアのシチリア島で合宿中の天津権健に合流。28日にはメディカルチェックを通過したと伝えられていたが、ついに移籍が決定した。
 
　ビジャレアルは移籍金として1800万ユーロ（約21億6000万円）を受け取り、本人の年俸は現在の３倍に当たる600万ユーロ（約７億2000万円）になると複数の現地メディアが報じている。
 
　今冬だけでもオスカール（チェルシー→上海上港）をはじめ、カルロス・テベス（ボカ→上海申花）、アクセル・ヴィツェル（ゼニト→天津権健）、ジョン・オビ・ミケル（チェルシー→天津泰達）、リカルド・カルバリョ（無所属→上海上港）などを“爆買い”している中国スーパーリーグに、またひとりビッグネームが加わった。
 
　現在27歳のパットは、インテルナシオナウで育成されて17歳だった2006年11月にトップチームデビュー。翌年８月には欧州中のメガクラブを巻き込んだ熾烈な争奪戦の末にミランに引き抜かれ、類稀なスピードとテクニック、シュートセンスを武器に瞬く間に名門クラブの主力に。セリエAやチャンピオンズ・リーグでスーパーゴールを連発し、遠からず世界屈指のストライカーに成長すると謳われた。
 
　しかし、2010年あたりから故障を繰り返し、年を重ねるごとにプレータイムを減らした末、2013年１月にはコリンチャンスへ放出される。その後はサンパウロ、チェルシーへのレンタルを経て、昨夏にビジャレアルへ完全移籍。16-17シーズンは公式戦通算で19試合・６得点の成績を残していた。
 
　天津権健は昨年６月から元イタリア代表DFのファビオ・カンナバーロが監督を務め、元ブラジル代表コンビのFWルイス・ファビアーノとMFジャジソンの活躍もあって2016年シーズンは中国２部リーグで優勝。クラブ史上初となるスーパーリーグ（１部）昇格を決めた。
 
　2017年シーズンに向けてはまず、ユベントスと相思相愛だったMFヴィツェルを移籍金2000万ユーロ（約24億円）、年俸1800万ユーロ（約21億6000万円）で強奪。さらに、昨年末で退団したL・ファビアーノに代わる得点源となるエースの獲得に乗り出し、カンナバーロ監督が希望したニコラ・カリニッチ（フィオレンティーナ）やイスラム・スリマニ（レスター）らにオファーを出したが、いずれにも断られた。
 
　そこで白羽の矢が立ったのがパットで、ここ１週間で素早く交渉をまとめた格好だ。
 
　さらに天津権健は、WBA所属のFWサロモン・ロンドン（ベネズエラ代表）にも巨額オファーを送っていると噂されており、こちらも近日中に動きがあるかもしれない。
 
　なお、ヨーロッパは１月31日だが、中国は２月26日まで移籍マーケットが開いている。