警告の種類は「異議」ではなく「反スポーツ的行為」になっているが…。
[J1 2nd 12 節]FC東京×浦和レッズ/9月17日/味スタ
FC東京が先制点となるPKを獲得した、後半開始早々の47分の場面。柏木陽介との競り合いに勝った梶山陽平が浦和DF陣の間を突破して、ゴール前に走り込んだ中島翔哉へスルーパスを放つ。
その対応に那須大亮が行ったものの、後方から足を掛けて中島を倒してしまう。そこで高山啓義主審が笛を吹き、PKを宣告したのだ。
しかし、そのあと高山主審が詰め寄ったのは、那須の後ろを走っていた阿部。そして、浦和の22番にイエローカードを提示したのだ。
なぜ? と阿部や他の浦和の選手は訴えたが、その時点で判定は覆らなかった。試合後の公式記録にも「警告:阿部」と記された。
もしかすると、そこで阿部がひと言でも何か異議を唱えたことに対する警告だったとも考えられた。しかし阿部の警告の対象は、「C1:反スポーツ的行為」。「C3:異議」になっていなかった。
単純に見誤って那須に出すべきカードを阿部に提示したのであれば、新ルールの「決定機阻止=イエローカード+PK」が採用されたと解釈できる。
48分、そのPKを森重が冷静に沈め、FC東京に貴重な先制ゴールがもたらされた――。
VTRで確認すると、阿部は中島と一切接触していなかった。ただし、那須の足が中島に掛かっているのは確認できた。実際、那須も「僕が足をかけたというより、自分が走っているところに、掛かってきた感じだった」と認めている。
浦和がペナルティエリア内でファウルをしたこと自体は間違いなさそうで、高山主審がそのもつれ合いを、よく見ていた点は認めたい。このあと、公式記録が訂正されることも考えられる(※後日、Jリーグが「人違い」だったと認め、試合当日の公式記録は変わらないまま、累積警告が阿部ではなく那須に加算された)。
浦和の主将でもある阿部は、その突然のイエローカードの宣告に少なからず動揺したはずだ。それでも気持ちを切り替えてプレーに集中し、ロングフィードで同点ゴールの起点になり、逆転勝利を呼び込むことに成功した。
試合後の阿部はその判定には触れず、「一つひとつ勝っていくことが大切。自分たちのスタイルを貫けたことこそ勝因」と振り返っていた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
【FC東京 1-3 浦和 PHOTO】 李が同点弾、関根が2ゴールを演出。
FC東京が先制点となるPKを獲得した、後半開始早々の47分の場面。柏木陽介との競り合いに勝った梶山陽平が浦和DF陣の間を突破して、ゴール前に走り込んだ中島翔哉へスルーパスを放つ。
その対応に那須大亮が行ったものの、後方から足を掛けて中島を倒してしまう。そこで高山啓義主審が笛を吹き、PKを宣告したのだ。
しかし、そのあと高山主審が詰め寄ったのは、那須の後ろを走っていた阿部。そして、浦和の22番にイエローカードを提示したのだ。
なぜ? と阿部や他の浦和の選手は訴えたが、その時点で判定は覆らなかった。試合後の公式記録にも「警告:阿部」と記された。
もしかすると、そこで阿部がひと言でも何か異議を唱えたことに対する警告だったとも考えられた。しかし阿部の警告の対象は、「C1:反スポーツ的行為」。「C3:異議」になっていなかった。
単純に見誤って那須に出すべきカードを阿部に提示したのであれば、新ルールの「決定機阻止=イエローカード+PK」が採用されたと解釈できる。
48分、そのPKを森重が冷静に沈め、FC東京に貴重な先制ゴールがもたらされた――。
VTRで確認すると、阿部は中島と一切接触していなかった。ただし、那須の足が中島に掛かっているのは確認できた。実際、那須も「僕が足をかけたというより、自分が走っているところに、掛かってきた感じだった」と認めている。
浦和がペナルティエリア内でファウルをしたこと自体は間違いなさそうで、高山主審がそのもつれ合いを、よく見ていた点は認めたい。このあと、公式記録が訂正されることも考えられる(※後日、Jリーグが「人違い」だったと認め、試合当日の公式記録は変わらないまま、累積警告が阿部ではなく那須に加算された)。
浦和の主将でもある阿部は、その突然のイエローカードの宣告に少なからず動揺したはずだ。それでも気持ちを切り替えてプレーに集中し、ロングフィードで同点ゴールの起点になり、逆転勝利を呼び込むことに成功した。
試合後の阿部はその判定には触れず、「一つひとつ勝っていくことが大切。自分たちのスタイルを貫けたことこそ勝因」と振り返っていた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
【FC東京 1-3 浦和 PHOTO】 李が同点弾、関根が2ゴールを演出。