縦パスの重要性を説く。
[J1第2ステージ11節]川崎3-1福岡/9月10日/等々力陸上競技場
大半の時間でボールを保持し、主導権を握り続けた福岡戦は圧勝に見えた。しかし、チームの3点目を決めたエースは、試合後に手振り身振りを交えながら攻撃の課題を口にした。
「正直にサイドに出すシーンが多い。(後ろに)戻しちゃう。戻しちゃう前に(縦に)入れるチャンスがあるのに。でも、ミスをしたらダメというのがあるから、一回横につないでしまう。そうするとDFはその時間で整ってしまう。そこでパスを入れてもDFは準備ができているから前に行ける。俺らはDFが来ているから返すしかない。それは面白くない」
確かに大久保のプレーを振り返ってみると、特に前半はゴールを背にしたものが多く、後ろへとパスを戻すシーンが何度も見受けられた。後半はカウンターからゴールに迫ったが、これは相手が前へ出たためにスペースが広がった面があったのだろう。
「ミスを怖がって出してくれない。出して取られても良いと思う。そうじゃないとジャブにも何にもならない。サイドに出してつないでいては普通のチーム。ただのつなぐチームになってしまう」
その点、チームの3点目、自身が決めたゴールシーンは「綺麗だった」と評価する。
センターサークル付近でボランチのE・ネットとパス交換をすると、E・ネットが素早く前にいた中村へパスを出す。そして中村は最前線の小林へ縦パス。この瞬間に大久保は猛ダッシュで相手ゴール前に走り込み、小林のスルーパスを受けて右足を振り抜いた。
まさに大久保が語ったような縦方向へのパスがシンプルに3本通った、“速さ”と“正確性”が融合した見事なゴールだった。
「このまま(相手に)研究されて、もしチャンピオンシップに出たら、厳しいと思うよ」
その言葉を残し、エースはスタジアムを去った。
大久保が求めるのはただボールをつなぐサッカーではなく、チャンスがあれば果敢に縦パスを入れる“怖さ”のある攻撃だ。それを可能にするテクニックと視野を持った選手が、チームに揃っているからこそ口を酸っぱくして語り続けるのだろう。
より意識の変化が生じれば、川崎の攻撃はさらに爆発力を増しそうだ。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
大半の時間でボールを保持し、主導権を握り続けた福岡戦は圧勝に見えた。しかし、チームの3点目を決めたエースは、試合後に手振り身振りを交えながら攻撃の課題を口にした。
「正直にサイドに出すシーンが多い。(後ろに)戻しちゃう。戻しちゃう前に(縦に)入れるチャンスがあるのに。でも、ミスをしたらダメというのがあるから、一回横につないでしまう。そうするとDFはその時間で整ってしまう。そこでパスを入れてもDFは準備ができているから前に行ける。俺らはDFが来ているから返すしかない。それは面白くない」
確かに大久保のプレーを振り返ってみると、特に前半はゴールを背にしたものが多く、後ろへとパスを戻すシーンが何度も見受けられた。後半はカウンターからゴールに迫ったが、これは相手が前へ出たためにスペースが広がった面があったのだろう。
「ミスを怖がって出してくれない。出して取られても良いと思う。そうじゃないとジャブにも何にもならない。サイドに出してつないでいては普通のチーム。ただのつなぐチームになってしまう」
その点、チームの3点目、自身が決めたゴールシーンは「綺麗だった」と評価する。
センターサークル付近でボランチのE・ネットとパス交換をすると、E・ネットが素早く前にいた中村へパスを出す。そして中村は最前線の小林へ縦パス。この瞬間に大久保は猛ダッシュで相手ゴール前に走り込み、小林のスルーパスを受けて右足を振り抜いた。
まさに大久保が語ったような縦方向へのパスがシンプルに3本通った、“速さ”と“正確性”が融合した見事なゴールだった。
「このまま(相手に)研究されて、もしチャンピオンシップに出たら、厳しいと思うよ」
その言葉を残し、エースはスタジアムを去った。
大久保が求めるのはただボールをつなぐサッカーではなく、チャンスがあれば果敢に縦パスを入れる“怖さ”のある攻撃だ。それを可能にするテクニックと視野を持った選手が、チームに揃っているからこそ口を酸っぱくして語り続けるのだろう。
より意識の変化が生じれば、川崎の攻撃はさらに爆発力を増しそうだ。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)