まさかのお咎めなしだった
1月16日、レアル・マドリーの背番号7、ヴィニシウス・ジュニオールは本拠地サンティアゴ・ベルナベウで痛烈なブーイングに晒されている。ボールを持つたび、非難の口笛。味方からの敵意むき出しに心が萎えたのか、目立った活躍はできなかった。憎しみと嫌悪の渦の中にいることを感じただろう。
残念だが、それは当然の報いと言える。
ヴィニシウスは、もともと奔放な人間と言える。利己的で、我が強く、承認欲求も強い。数年前までは実績も乏しく、ジネディーヌ・ジダン、カルロ・アンチェロッティのような大物監督が采配を振っていたことで、おとなしくしていたが、実績を積むと変わっていった。相手へのリスペクトを欠き(例えば大げさに倒れたり、侮蔑的な言葉を使ったり、わざと挑発するプレーを仕掛ける)、その本性がむき出しになりつつあった。
ラ・リーガ全体で、ヴィニシウスはすでに嫌われ者だったと言える。スタジアムでの人種問題に引きずり込んだが、彼自身がスタジアムのファンを扇動するような言動も目立って、「身から出た錆」とする声も少なくなかった。マドリディスタ(マドリーファン)だけには擁護されていたが...。
そして今シーズン、新たに監督に就任したシャビ・アロンソは、戦術的な規律を選手に要求した。端的に言えば、前線からのプレッシング、守備になった時の帰陣、絶え間ない攻守の切り替えである。攻撃も個人の感覚に任せたものではなく、形を作っていこうとしていた。一言でいえば、献身や知性が不可欠になった。
残念だが、それは当然の報いと言える。
ヴィニシウスは、もともと奔放な人間と言える。利己的で、我が強く、承認欲求も強い。数年前までは実績も乏しく、ジネディーヌ・ジダン、カルロ・アンチェロッティのような大物監督が采配を振っていたことで、おとなしくしていたが、実績を積むと変わっていった。相手へのリスペクトを欠き(例えば大げさに倒れたり、侮蔑的な言葉を使ったり、わざと挑発するプレーを仕掛ける)、その本性がむき出しになりつつあった。
ラ・リーガ全体で、ヴィニシウスはすでに嫌われ者だったと言える。スタジアムでの人種問題に引きずり込んだが、彼自身がスタジアムのファンを扇動するような言動も目立って、「身から出た錆」とする声も少なくなかった。マドリディスタ(マドリーファン)だけには擁護されていたが...。
そして今シーズン、新たに監督に就任したシャビ・アロンソは、戦術的な規律を選手に要求した。端的に言えば、前線からのプレッシング、守備になった時の帰陣、絶え間ない攻守の切り替えである。攻撃も個人の感覚に任せたものではなく、形を作っていこうとしていた。一言でいえば、献身や知性が不可欠になった。
ヴィニシウスは当初、守備でも頑張る姿を見せた。しかし、すぐに嫌気が差したようだった。だんだんと帰陣が遅れるようになって、不満をため込んでいた。そして昨年10月末のクラシコ、FCバルセロナを下したゲームで、交代を命じられたことに怒り、去り際に喚き散らし、アロンソ監督に公然と反旗を翻したのである。
本来、懲罰が与えられるべき言動だったが、まさかのお咎めなしだった。
ヴィニシウスは自分の行為が正当化されたと勘違いし、アロンソの指示をスルーするようになった。守備で自陣に戻らない。周りにパスする気はなくなって、一人で自滅。たまにゴールを決めたが、それは反抗の証のようだった。
結果、スーペルコパでバルサに敗れた後、アロンソ監督は解任に追い込まれている。クラブとしてはヴィニシウスを許した以上、成績不振のアロンソを切らざるを得なかった。ヴィニシウス本人はクラブに対し、監督交代を迫ったと言われ、その真偽はわからないが、ヴィニシウスがアロンソを追い出したのも同然で...。
マドリディスタは、ヴィニシウスに怒りの矛先を向けた。彼らの目は誤魔化せない。栄光の背番号7は勝利の先頭に立つべきであり、自分の都合でチームを動かすなどとんでもない驕りである。
世界に冠たるマドリーは自浄作用のあるクラブであり、然るべきところに落ち着くだろう。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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本来、懲罰が与えられるべき言動だったが、まさかのお咎めなしだった。
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マドリディスタは、ヴィニシウスに怒りの矛先を向けた。彼らの目は誤魔化せない。栄光の背番号7は勝利の先頭に立つべきであり、自分の都合でチームを動かすなどとんでもない驕りである。
世界に冠たるマドリーは自浄作用のあるクラブであり、然るべきところに落ち着くだろう。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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