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育成にも熱心な“世界最大”のビッグクラブ。スター獲得で新天地を求めざるを得ないが…【コラム】

カテゴリ:メガクラブ

小宮良之

2026年01月11日

センターフォワードはまさに“マドリーの特産物”

先日のベティス戦でハットトリックを達成したG・ガルシア。(C)Getty Images

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 ビッグクラブは潤沢な資金を武器に、他クラブで結果を残した選手を高額でも獲得することが多くなる。スモールクラブにとっては目が飛び出るほどの移籍金や年俸で、もし失敗したら屋台骨が崩れるほどの衝撃が見込まれるが、それでも“安い買い物”なのだろう。なぜならビッグクラブは勝利を義務付けられ、タイトルを手にするには投資が必要だからだ。

「安物買いの銭失い」

 そんなことになれば、元も子もない。他のクラブで活躍している選手は、“優良株”で、“値は張ってもリスクが低い”商品“のはずだ。

 結果、多くのビッグクラブ(新興であればあるほど)は育成にあまり熱心ではない。

 しかし世界最大のビッグクラブであるレアル・マドリーは、育成にも手をかけている。カスティージャと言われる下部組織は、1部で活躍する多くの選手を輩出しているのだ。

 クラブ・ワールドカップで一躍ブレイクしたストライカー、ゴンサロ・ガルシアは、カスティージャが生み出した典型的センターフォワードと言える。過去にも有力な選手を生み出し、センターフォワードはまさに“マドリーの特産物”。現役だけでも、ロドリゴ・モレーノ、アルバロ・モラタ、ホセル、ボルハ・マジョラルなど少なくない。

 トップチームにはロナウド、ルート・ファン・ニステルローイ、クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、キリアン・エムバペのようなスターが来るだけに、新天地を求めざるを得ないが、そこで得点を量産する姿が“マドリーの底力”を映し出すのだ。
 
 また、ディフェンス面も人材が多い。昨シーズン後半、“最速”武器に頭角を現したラウール・アセンシオ、左サイドバックでパワフルな攻守を見せるフラン・ガルシア、長身センターバックとしてポテンシャルの高さが期待されるハコボ・ラモンなど現チームの面々だけでも錚々たるメンバーだ。

 そして下部組織の監督は、マドリーのトップチームでプレーしてきた元選手がなる場合が多い。Bチームであるカスティージャの監督は、昨シーズンまで英雄ラウール・ゴンサレスが率いていた。新シーズンは同じくマドリーでプレーしたアルバロ・アルベロアが率いる。

 ちなみにトップチームを率いることになったシャビ・アロンソは現役時代、マドリードで数々の栄光に浴し、指導者のスタートではマドリーのU-14を率いた。マドリディスモ(マドリード主義)の伝達が、彼らの源泉だ。

 長い歴史の中で引き潮、上げ潮はある。しかし、育成はクラブ理念の土台を担う。

〈常勝精神〉

 それを下部組織で伝え、浸透させ、還元することによって、トップチームをも特別な存在にしているのだ。

文●小宮良之

【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。

【動画】1月4日のベティス戦で下部組織出身FWがハット達成

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