青森山田が取り戻した『決め切る力』で5度目の選手権制覇へ。“県24連覇”と“県内418連勝”でストップ。夏の悔しさから半年、指揮官は自信「今年は狙ってるよ」
カテゴリ:高校・ユース・その他
2025年12月01日
インターハイ予選決勝で再び露呈した決定力不足
インターハイでの衝撃的な敗退から半年。高校サッカー界の絶対王者・青森山田が冬の日本一に向けて状態を上げている。
今年6月に行なわれた夏のインターハイ青森予選。順当に決勝まで勝ち上がったが、八戸学院野辺地西にPK戦(1−1/5PK6)で敗れた。
インターハイは“県24連覇”。県内の公式戦では“418連勝”。その前人未到の記録が2つもストップした。前任の黒田剛監督(現・町田監督)や偉大な先輩たちが紡いできた記録だったが、まさかの結果にチームは一言では言い表せない悔しさを噛み締めた。
キャプテンのGK松田駿(3年/岡山入団内定)は言う。
「どうしても最初は気持ちが落ちるところがあって、なかなか全員が前を向けないところはあった」
春先からファーストチャンスを決められずに試合の流れを手放したり、追加点を奪えずにゲームを落とす展開もあった。特にU-18高円宮杯プレミアリーグEASTでは開幕から4試合でわずか1得点に終わり、先手を取れずにリズムを崩す試合も珍しくなかった。
インターハイ予選直前のリーグ戦で課題が改善されたようにも見えたが、勝負がかかったインターハイ予選決勝では再び決定力不足を露呈。ただ、メンタル面も含め、このなんとも形容しがたい感情がチームをさらに強くした。
インターハイ本大会が開催されている間は、大学生とトレーニングマッチを組むなどして鍛錬。高体連やJユースの強豪が集まる和倉ユース大会でも研鑽を積み、より逞しくなるために戦い続けた。
その結果、最大の課題であった“1本中の1本を決め切る力”を取り戻すことに成功。「ゴールが取れていることよりも、ファーストシュート、チャンスで決め切れるようになってきた。1本中の1本。それがだいぶ身についてきたのは、夏の成果」と、正木昌宣監督もチームの成長を認める。
今年6月に行なわれた夏のインターハイ青森予選。順当に決勝まで勝ち上がったが、八戸学院野辺地西にPK戦(1−1/5PK6)で敗れた。
インターハイは“県24連覇”。県内の公式戦では“418連勝”。その前人未到の記録が2つもストップした。前任の黒田剛監督(現・町田監督)や偉大な先輩たちが紡いできた記録だったが、まさかの結果にチームは一言では言い表せない悔しさを噛み締めた。
キャプテンのGK松田駿(3年/岡山入団内定)は言う。
「どうしても最初は気持ちが落ちるところがあって、なかなか全員が前を向けないところはあった」
春先からファーストチャンスを決められずに試合の流れを手放したり、追加点を奪えずにゲームを落とす展開もあった。特にU-18高円宮杯プレミアリーグEASTでは開幕から4試合でわずか1得点に終わり、先手を取れずにリズムを崩す試合も珍しくなかった。
インターハイ予選直前のリーグ戦で課題が改善されたようにも見えたが、勝負がかかったインターハイ予選決勝では再び決定力不足を露呈。ただ、メンタル面も含め、このなんとも形容しがたい感情がチームをさらに強くした。
インターハイ本大会が開催されている間は、大学生とトレーニングマッチを組むなどして鍛錬。高体連やJユースの強豪が集まる和倉ユース大会でも研鑽を積み、より逞しくなるために戦い続けた。
その結果、最大の課題であった“1本中の1本を決め切る力”を取り戻すことに成功。「ゴールが取れていることよりも、ファーストシュート、チャンスで決め切れるようになってきた。1本中の1本。それがだいぶ身についてきたのは、夏の成果」と、正木昌宣監督もチームの成長を認める。
そうした課題と向き合ったことでU-18高円宮杯プレミアリーグEASTの後半戦は攻撃陣が躍動し、無得点に終わった試合は第19節の昌平戦(0−1)のみ。しっかりと先手を取って、勝利を掴んできた。
これには凄みを増しているFW深瀬幹太(3年)の存在も大きい。前半戦も11試合で6ゴールを奪っていたが、後半戦は9試合で8ゴールとさらに勢いを加速させている。当たり負けしない身体の強さでゴールに突き進み、決して綺麗ではなくとも泥臭く決め切る力を発揮。指揮官は「もっとできるとは思う」と注文をつけたが、「点も取れているし、守備のところも(頑張っている)」とエースストライカーの爆発に目を細める。
11月2日に行なわれた選手権の県予選決勝では、八戸学院野辺地西にリベンジを果たす(2-1で勝利)など、調子を上げてきたなかでリーグ戦でも強さを示している。
実際に11月30日のU-18高円宮杯プレミアリーグEASTの第11節・川崎U-18戦(3−1)は前半の半ばに先制し、後半立ち上がりの51分に深瀬が加点。1点返された後、73分にはCKからCB島津亮太(3年)が決め切り、もう一度突き放した。
交代枠を使い切っていた後半アディショナルタイムにGK松田が一発退場となるが、CB大場光翔(3年)を急遽GKに配置する布陣で動じずに対応。「我慢する時間と押し込める時間。どっちつかずの時間もあるけど、そういうのがしっかりできている」という指揮官の言葉からも、夏からの成長が見て取れる一戦だった。
夏の敗北を経て、ひと回りもふた回りも成長した青森山田。これまで怪我で離脱していた10番の小山田蓮(3年)も戻ってきており、3バックと4バックの併用プランも手応えを得つつある。
「今年は狙ってるよ」。不敵な笑みを浮かべた指揮官の表情からは自信が滲む。5度目の選手権制覇へ――。絶対王者に死角はない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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11月2日に行なわれた選手権の県予選決勝では、八戸学院野辺地西にリベンジを果たす(2-1で勝利)など、調子を上げてきたなかでリーグ戦でも強さを示している。
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