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異国の地で育んだ絆は一生の宝物。メキシコがいなくなるのは寂しいけど...U-17指揮官は誓う「友情の証になると思うので、次の試合に勝つ」【現地発】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2025年11月21日

メキシコの伝統工芸“アレブリヘ”

初の4強入りをかけてオーストリア戦に挑む廣山ジャパン。写真:松尾祐希

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 最後は笑顔で互いの健闘を称え、いつの日か再戦できることを約束して別れを告げた。

 カタールで開催中のU-17ワールドカップで準々決勝に進出し、11月21日にオーストリアと戦う若き日本代表。同大会の過去最高成績は、1993年大会と2011年大会のベスト8で、今回、オーストリアに勝てば初の4強入りとなる。

 快進撃を続ける日本は、同じ宿舎のメキシコと育んできた絆と友情も話題だ。FIFAの公式サイトや開催地カタールのテレビ局にも取り上げられるなど、大会を象徴する出来事として大きな関心が寄せられた。

 事の始まりは、日本とメキシコの食事会場が隣り合わせになったこと。グループステージ中は10か国が同じホテルに滞在しており、食事をする場所も同じ。ただ、日本とメキシコだけはやや離れた場所に区画が設けられており、そうした流れもあって交流がスタートした。

 親交を温めていくにあたり、キャプテンのGK村松秀司(ロサンゼルスFC)がU-15アメリカ代表時代のチームメイトだったメキシコの選手と接点があった点も追い風となった。

 互いの試合日にホテルで送り迎えをするなど、日増しに関係は深まっていく。だが、そうした幸せなストーリーは長く続かない。遅かれ早かれ、別れの日はやってくるからだ。

 日本がラウンド16で北朝鮮(1-1/PK5-4)を下した18日、メキシコはポルトガルに0-5で敗れた。一人退場者を出したのは不運だったが、この結果を受けて21日の午前中に帰国することに。どちらのチームから呼びかけることなく、自然発生的に送別会が開かれた。
 
 日本は英語のほかにスペイン語も多少できる村松が、語学に堪能な才田紘之総務の最終チェックを受けたうえで、惜別の言葉をメキシコ代表に送った。代表のペナントや「一期一会」と書かれた色紙などもプレゼント。FW吉田湊海(鹿島ユース)はメキシコの選手とユニホームを交換したという。

 逆にメキシコ側からは“アレブリヘ”というメキシコの伝統工芸の一つとされる人形をプレゼントされた。これは「家から悪霊を追い払うのに役立つと信じられ、幸運のシンボル」とされる。日本の優勝を願うメキシコの想いが込められた贈り物に、選手たちも熱いものが込み上げた。

 U-17W杯で生まれた異国の地での交流。MF野口蓮斗(広島ユース)が「メキシコがいなくなるのは心細いけど、彼らの分まで勝ち上がりたい」と話したように、選手たちの心に特別な想いが刻まれたのは確かだ。

「次の試合に勝つことでメキシコに喜んでもらえるのと同時に、悔しさも与えられる」と廣山望監督は話す。「それが互いの成長につながると思います。友情の証になると思うので、次の試合に勝つ。それがとても意味があることになる。(メキシコとの別れは)そういう風に受け取ってほしい」と続ける。

 気がつけば、10か国が滞在していたホテルからは日本以外の全チームが去り、廣山ジャパンだけになった。メキシコとともに過ごした3週間は特別で、お互いを刺激するうえでも貴重な時間だった。最高のライバルと出会うことができた。A代表での再会を誓った日本の選手たちは、メキシコの想いを背負ってさらなる高みを目ざす。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

【動画】リスペクトの精神。日本とメキシコの友情物語

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