感情を爆発させ、拳を何度も突き上げた
[U-17W杯]日本 3-0 南アフリカ/11月15日/Aspire Zone-Pitch3
カタールで開催中のU-17ワールドカップ。グループステージでB組を首位通過した日本は、現地11月15日にラウンド32で南アフリカと対戦。3-0で完勝を収めた一戦で、エースが待望の今大会初ゴールを挙げ、16強進出に貢献した。
後半のスタートからピッチに立ったFW吉田湊海(鹿島ユース)は、1-0で迎えた59分、貴重な追加点を奪う。ゴール前でボールを収めた背番号10は、寄せてくる相手DFを巧みなコントロールでかわし、右足で冷静に流し込んだ。
ようやく、決めることができた。苦しんでいた男は感情を爆発させ、拳を何度も突き上げた。
廣山ジャパン発足当初からナンバー10を託された吉田は、誰よりも強い責任感でチームを牽引してきた。大事な場面でゴールを決めるのは、いつも吉田。4月のU-17アジアカップ(ワールドカップのアジア最終予選)では、UAEとの初戦(4-1)と続くベトナム戦(1-1)で先制点をマークするなど、勝負強さを示してきた。
しかし、今大会はグループステージの3試合でいずれも無得点。先発した初戦のモロッコ戦(2-0)ではネットを揺らすも、FVS(リクエスト方式のビデオ判定)で自らのハンドが認められゴールが取り消される。第2節のニューカレドニア戦(0-0)では何度もあった決定機を仕留められなかった。
カタールで開催中のU-17ワールドカップ。グループステージでB組を首位通過した日本は、現地11月15日にラウンド32で南アフリカと対戦。3-0で完勝を収めた一戦で、エースが待望の今大会初ゴールを挙げ、16強進出に貢献した。
後半のスタートからピッチに立ったFW吉田湊海(鹿島ユース)は、1-0で迎えた59分、貴重な追加点を奪う。ゴール前でボールを収めた背番号10は、寄せてくる相手DFを巧みなコントロールでかわし、右足で冷静に流し込んだ。
ようやく、決めることができた。苦しんでいた男は感情を爆発させ、拳を何度も突き上げた。
廣山ジャパン発足当初からナンバー10を託された吉田は、誰よりも強い責任感でチームを牽引してきた。大事な場面でゴールを決めるのは、いつも吉田。4月のU-17アジアカップ(ワールドカップのアジア最終予選)では、UAEとの初戦(4-1)と続くベトナム戦(1-1)で先制点をマークするなど、勝負強さを示してきた。
しかし、今大会はグループステージの3試合でいずれも無得点。先発した初戦のモロッコ戦(2-0)ではネットを揺らすも、FVS(リクエスト方式のビデオ判定)で自らのハンドが認められゴールが取り消される。第2節のニューカレドニア戦(0-0)では何度もあった決定機を仕留められなかった。
最後のポルトガル戦(2-1)はサブに回り、57分から途中出場。シャドーで起用されたが、71分に右ウイングバックのMF長南開史(柏)の一発退場により、普段とは異なるタスクが増加。右サイドハーフやインサイドハーフでプレーし、リードを守り切る試合展開とあって守備で汗をかいた。
チームとしては順調に決勝トーナメントへ駒を進めたが、吉田自身の心境は複雑だった。目に見える結果を残せなかったし、ポルトガル戦では先発を外れた。悔しさと自分に対する怒りがあった。
そして、このラウンド32の南アフリカ戦もベンチスタート。前日練習で廣山望監督から説明を受けたとはいえ、吉田は唇を噛んだ。
感情をコントロールするのは簡単ではない。ただ、ふてくされるようなことは一切ない。チームメイトに対する気遣いや心配りも人一倍意識し、ポルトガル戦で退場した長南には、誰よりも寄り添った。ポルトガル戦の翌日はオフが設けられ、ドーハ市内を観光した際は、常に長南の側にいたという。
「開史が本当に反省しているのは、ホテルで一緒に生活するなかで見ていた。開史が一番試合に出たいと思っているし、自分たちからしたら1個下というのもあって、僕らのサポートがないと立ち直れない部分もある」
チームのために戦う姿勢は崩さない。
「ワールドカップは、自分がしたいことだけをしていれば勝てる大会じゃないし、自分も結果を残さないといけない。一人だけ違う方向を向いたら優勝には辿り着けないと思っているので、開史が一緒に同じ方向を見られるように声かけをしていました」
そうしたスタンスを貫き、大事な決勝トーナメントの初戦でゴールを挙げた。
「本当の意味で、ここからが俺のワールドカップ」。充実の表情でそう言い切った吉田のさらなる活躍が楽しみだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
【動画】俺が日本のエースだ! 10番・吉田湊海の圧巻フィニッシュ
【画像】あの時、君は若かった…厳選写真で振り返るレジェンドたちの“ビフォーアフター”(国内編)
チームとしては順調に決勝トーナメントへ駒を進めたが、吉田自身の心境は複雑だった。目に見える結果を残せなかったし、ポルトガル戦では先発を外れた。悔しさと自分に対する怒りがあった。
そして、このラウンド32の南アフリカ戦もベンチスタート。前日練習で廣山望監督から説明を受けたとはいえ、吉田は唇を噛んだ。
感情をコントロールするのは簡単ではない。ただ、ふてくされるようなことは一切ない。チームメイトに対する気遣いや心配りも人一倍意識し、ポルトガル戦で退場した長南には、誰よりも寄り添った。ポルトガル戦の翌日はオフが設けられ、ドーハ市内を観光した際は、常に長南の側にいたという。
「開史が本当に反省しているのは、ホテルで一緒に生活するなかで見ていた。開史が一番試合に出たいと思っているし、自分たちからしたら1個下というのもあって、僕らのサポートがないと立ち直れない部分もある」
チームのために戦う姿勢は崩さない。
「ワールドカップは、自分がしたいことだけをしていれば勝てる大会じゃないし、自分も結果を残さないといけない。一人だけ違う方向を向いたら優勝には辿り着けないと思っているので、開史が一緒に同じ方向を見られるように声かけをしていました」
そうしたスタンスを貫き、大事な決勝トーナメントの初戦でゴールを挙げた。
「本当の意味で、ここからが俺のワールドカップ」。充実の表情でそう言い切った吉田のさらなる活躍が楽しみだ。
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