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【五輪サッカー 今日は何の日】8月11日「プロ解禁の大会をフランスが制す――1984年ロサンゼルス大会」

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年08月11日

欧州選手権優勝&五輪金メダル――フランスが迎えた栄華の時。

フランスの金メダルはこの84年大会一度きり。以降はベスト4入りすら一度も果たしていない。 (C) SOCCER DIGEST

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 1984年ロサンゼルス・オリンピック。かつては「アマチュアスポーツの祭典」とされてきたオリンピックにもプロの波が押し寄せ、IOCは客を呼べる人気競技であるサッカーに関しても、プロ選手の解禁を望んでいた。
 
 しかし、ワールドカップの権威と価値を守りたいFIFAはこれに難色を示し続け、結局、「ワールドカップに出場したことがない選手に限り、プロ選手も出場できる」という妥協点を双方は見出した。
 
 そんな、分岐点となった大会はまた、それまで五輪サッカーの上位を独占してきた東欧勢が不在の大会としても記憶されることになった。これは、前回モスクワ大会に政治的理由でアメリカをはじめとする西側陣営が出場をボイコットしたことに対する報復だった。
 
 このようなことから、過去の大会に比べて新鮮味に溢れた84年の五輪サッカー。ちなみに日本は久々のアジア予選突破が期待されたものの、タイに衝撃の完敗を喫して悲願はならなかった。
 
 本大会では、IOCの目論見通り、サッカーは大きな注目を浴び、ユーゴスラビアとイタリアの3位決定戦、そして8月11日に行なわれたフランス対のブラジルの決勝戦ともに、ローズボウル・スタジアムは10万人を超える観衆で埋め尽くされた。
 
 試合は立ち上がりから激しいものとなり、前半はブラジルが優勢に立つも、後半になるとパスワークとカウンターを駆使してフランスがペースを握る。
 
 そして55分、フランスは右からのクロスをブリソンが打点の高いヘッドで合わせ、ジウマール(後にセレッソ大阪でもプレー)が守るゴールを破って先制。その5分後には、ビジョタのシュートをジウマールが弾いたところを、シュエレブが詰めてリードを広げた。
 
 ドゥンガ(前ブラジル代表監督)らを擁するブラジルは時間とともに動きが重くなり、反撃を見せられないまま試合終了を迎えた。初の決勝進出は快挙だったが、サッカー王国にとって銀メダルは決して手放しで喜べるものではなかった。
 
 ブラジルは次のソウル大会でも決勝戦でソ連の前に敗戦。そして2012年ロンドン大会では、8月11日に行なわれたメキシコとの決勝で、三たび敗戦を喫し、悲願の金メダルを取り逃がしている。
 
 一方のフランスは、初(そして現時点では唯一)の金メダル獲得。同年の自国開催の欧州選手権でA代表がプラティニらの活躍で初優勝を飾っており、まさにフランス・サッカー界は栄華の時を迎えていた。
 
◎8月11日に行なわれた五輪サッカーの試合
◇1936年ベルリン大会
準決勝
オーストリア 3-ポーランド
得点:オ=カインベルガー(14分)、ラウドン(55分)、マントル(88分) ポ=ガド(73分)
 
◇1948年ロンドン大会
準決勝
ユーゴスラビア 3-イギリス
得点:ユ=ボベク(19分)、ヴェルフィ(24分)、ミティッチ(48分) イ=ドノバン(20分)
 
◇1984年ロサンゼルス大会
決勝
フランス 2-ユーゴスラビア
得点:ブリソン(55分)、シュエレブ(60分)
 
◇2004年アテネ大会・男子
グループステージ
韓国 2-ギリシャ
得点:韓=キム・ドンジン(43分)、オウンゴール(64分) ギ=タラリディス(78分)、パパドプーロス(82分)
マリ 0-メキシコ
チュニジア 1-オーストラリア
得点:チ=ジトゥニ(69分) オ=アロイージ(45分)
アルゼンチン 6-セルビア・モンテネグロ
得点:デルガド(11分)、C・ゴンサレス(17分)、テベス(42分・43分)、エインセ(74分)、ロサレス(77分)
 
◇2004年アテネ大会・女子
グループステージ
日本 1-スウェーデン
得点:荒川(24分)
ドイツ 8-中国
得点:プリンツ(13分・21分・73分・88分)、ブンデルリッヒ(65分)、リンゴール(76分)、ポフラース(82分)、ミュラー(90分)
アメリカ 3-ギリシャ
得点:ボックス(14分)、ワンバック(30分)、ハム(82分)
ブラジル 1-オーストラリア
得点:マルタ(36分)
 
◇2012年ロンドン大会・男子
決勝
メキシコ 2-ブラジル
得点:メ=ペラルタ(1分・75分) ブ=フッキ(90+1分)

決勝の前日には3位決定戦が行なわれ、ユーゴスラビアがイタリアを撃破して銅メダルを獲得した。写真の左は当時19歳のストイコビッチ。 (C) SOCCER DIGEST

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