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夕日に染まる美しい光景を存分に堪能。有利な条件で戦えていた日本。フランス戦は本当にもったいなかった【U-20W杯戦記】

カテゴリ:連載・コラム

浅田真樹

2025年10月14日

おいしい海産物にありつけるが、やはりここは山の国だ

バックスタンドの背後には右から左までアンデス山脈が広がる。圧巻の景色だ。写真:浅田真樹

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 現在U-20ワールドカップが開かれているチリの国土は南北に細長く、国土の多くが太平洋に面している。

 そのため、チリでは新鮮でおいしい海産物にありつけるが、実際に訪れた印象で言えば、やはりここは山の国だ。首都のサンティアゴを歩いていても、常にアンデス山脈が臨め、すでに到着から何日も経っているのに、その雄大さには目を奪われる。

 なかでも印象深いのは、日本が今大会で4試合中3試合を戦った、エスタディオ・ナシオナル(国立競技場)から見る景色である。

 バックスタンドの背後には右から左までアンデス山脈が広がり、ただでさえ圧巻の景色。そのうえ日が落ちる直前の時間帯になると、山並みが夕日に照らされて赤く染まり、実に美しい絵をスタンドから眺めることができるのだ。

 スタンド内は老朽化が目立ち、設備においては世界中で誕生している最新式のスタジアムとは比べようもないが、この景色を見るだけでも、ここを訪れる価値があると思わされる。

 なぜ、こうして夕日に染まる美しい光景を存分に堪能できたかというと、この季節(南半球は春)でも日が長いサンティアゴでは、19時を過ぎてもまだ空は明るく、20時頃にようやく暗くなる、といった感じだったから。つまりは日本の試合が始まる前、ちょうど選手たちがウォーミングアップをしている頃が、最も景色が美しくなる時間帯だったからである。

 もしも試合中だったなら、きっとここまで見とれている暇はなかっただろう。

 春とはいえ、サンティアゴの日差しは強く、日中は日なたに出ていると、かなり暑い。半袖シャツ1枚で十分だ。

 ところが、昼間でも日陰に入れば涼しく、日が落ちる時間になると、急に寒くなってくる。夜の試合観戦時などは、何か上にはおるものというより、ダウンジャケットがあってもいいくらいだった。
 
 今大会の試合は、キックオフ時間が17時(一部は16時30分)と20時のふたつに分かれていたが、17時キックオフの場合、ピッチ内はまだ日差しがかなり強く、20時の試合に比べ、選手たちの消耗度に大きな違いがあったはずである。

 振り返ってみると、日本の試合はグループステージ初戦のエジプト戦をのぞけば、すべて20時キックオフ。ラウンド16を勝ち上がり、準々決勝に進んだ場合も20時キックオフの試合になっていた。

 つまり、開催国チリが勝ち進むべく用意されていたA組1位の座を奪い取ったことで、少なくともベスト4進出までは、かなり有利な条件で戦えるようになっていたのである。

 それを考えると、つくづくラウンド16のフランス戦はもったいない試合だった。

 試合間隔は日本の中4日に対し、フランスは中2日。しかも、フランスはグループステージ3試合を、すべて17時キックオフでこなしてきた。

 それにもかかわらず、結果は一方的と言ってもいいほど攻勢に試合を進めながら、不運な形でPKを取られての敗戦。その相手が準々決勝でノルウェーを下してベスト4に進出したと聞けば、もったいない試合だったの思いはさらに増す。

 大会はベスト4が出揃った。個人的にはアルゼンチンが頭ひとつ抜けていると見るが、果たしてどんな結末を迎えるだろうか。

 楽しみな一方、そこに日本がいないことだけが残念である。

取材・文●浅田真樹(スポーツライター)

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