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ブーイングが響いた神奈川ダービー。守備がハマった川崎とビルドアップで崩れた横浜に見えた象徴的な点差

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2025年09月14日

横浜は退場者も出し...

0-3と差が付いた神奈川ダービー。激しいプレーで一触即発のシーンも。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第29節]横浜 0-3 川崎/9月13日/日産スタジアム

 残留争いに巻き込まれている横浜がホームに、優勝戦線生き残りを目指す川崎を迎えた“神奈川ダービー”。ともに負けられない一戦において、勝利を挙げたのは川崎だった。

 長谷部茂利監督を招聘した今季の川崎は守備の改善をテーマにシーズンインしたが、ここ数試合は複数失点を喫してきた。その現状に守備ミーティングを行ない、意識をより引き締めて臨んだ横浜戦で、リーグ戦では10試合ぶりのクリーンシートを達成したのだから、喜びもひとしおだろう。

 さらに先制点は相手CB角田涼太朗のビルドアップをひっかけ、右SBファンウェルメスケルケン際がワンタッチで出したボールに、相手SBの背後を突いた伊藤達哉が切り込んで決めたもので、伊藤は公式戦6試合連続弾。 

 そして追加点は相手CKの流れから相手がパス回しをもたつくと見るや、喜田拓也からFWエリソン、MF山本悠樹がボールを奪い、エリソンが独走。シュートはGKに弾かれたが、こぼれ球に反応した山本が鈴木冬一に倒されてPKを獲得し、鈴木はVAR判定でレッドカードを提示され、エリソンが冷静にPKを決めた。

 試合終了間際には10人になった相手に対し、途中出場の宮城天が3点目をもたらしたが、試合の流れを大きく引き寄せた先制点と2点目は良い守備から前線のタレントの力を活かした、まさに今季の川崎の形。ここ数試合は打ち合いが続いたが、伊藤も「守備陣が安定感をもって守ってくれた」と、守備からリズムを作ったと言えるだろう。

 長谷部監督も饒舌だった。

「ゲームの入りも良かったですし、本当に久しぶりに良いゲーム、良い結果が取れたと思っています。攻守に渡っての切り替えで相手が上回る時間もありましたが、相手に退場者が出たとはいえ多くの時間で自分たちのスタイル、自分たちのプレーというものができたと思います。良かったです」

 そしてこう続けた。

「2点目も大きかったし、3点目も大きかったです。あわよくば4点目までいけそうなところだった。3も4も変わらないとは思っていません。上位陣の勝点が詰まっているなかで、そこに入っていこうとしている我々にとっては得失点差も大事になってきます。今日はもう1点取れそうだったのでチャレンジしましたが、私の交代が少し遅かったかなと思います」
 
 一方、0-3で敗れたマリノスに浴びせられたのはブーイングであった。

 序盤から後方からのビルドアップで攻撃を構築させようとの意識は感じられた。CB角田が縦パスを狙い、左SBの鈴木が中に入って受け手となろうと動き、ウイングのジョルディ・クルーク、井上健太らもクロスを狙ったが、攻撃はどこか散発的。攻撃的な姿勢は表現し切れず、逆にビルドアップやパス回しのミスからカウンターを受け、数的不利になって完敗を喫したのだから、忸怩たる思いだっただろう。

 大島秀夫監督は「立ち上がりから失点の仕方が悪かった、取り返しのつかない失点の仕方をしたなと正直思っています。そこから少し慌てたというか、自分たちの時間を作れず、ボールを奪われ、カウンターみたいな形も続いてしまい、前半は失点1でなんとか切り抜けたというのが正直な感想でした。後半からやることをしっかり修正して1点ずつ取っていこう、勝利を目指そうといったなかでまた悪い取られ方をしたので、その時点で完全に川崎にコントロールされたのかなと。そういう試合だったかなと思います」と振り返る。

 現在の互いのチーム状況が色濃く表われたと言えるゲーム内容であり、どこかダービーらしい熱を感じる瞬間が限られた寂しさも押し寄せるような一戦でもあった。

 残留を争う18位の湘南も敗れたことで横浜は辛くも降格圏よりひとつ上の17位をキープしたが、湘南とは同勝点で、19位の横浜FCとも勝点1差。待ったなしの状況となっている。

 守備強化と前線の個を活かすスタイルに移りつつある川崎のように、勝つためにスタイルを微調整するか、今の戦い方を貫き通すか、残り9試合、横浜の決断には注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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