中盤ならどこでもできる野津田ではなく、シンプルにFWを補充するという判断。

U-23世代のエースである久保不在で本大会に挑むことになり、手倉森ジャパンにとって大きな痛手だ。代役は鈴木(写真右)に決定。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

8月2日、練習前に取材に応じた霜田ND。注目が集まった久保の派遣問題は、「時間切れ」という形で断念を余儀なくされた。 写真:JMPA/小倉直樹
もつれにもつれていた久保裕也の派遣問題がついに決着した。
ヤングボーイズと最終交渉を行なう予定だった7月31日は、クラブ側は監督とコミュニケーションが取れていないことを理由に返答を先送り。8月1日まで待っても決着がつかず、8月2日午前中まで結論を伸ばしたが、最終的にヤングボーイズから届いたのは「3日の(チャンピオンズ・リーグの)試合が終わるまでは確約できない」という事実上の“派遣拒否通告”だった。
クラブの公式サイトで派遣拒否が発表され、突如勃発した「久保問題」。霜田正浩ナショナルチームダイレクター(ND)が直接交渉のため急遽スイスへ飛び、「条件次第では招集に協力してもらえる、というところまで差し戻してもらった」と軟化させることに成功したはずだった。しかし、「ギリギリのライン」(霜田ND)として設定した8月2日までに折り合いがつかず、久保の招集を断念せざると得なくなってしまった。
想定された事態とはいえ、手倉森ジャパンにとって、U-23世代のエースストライカーの欠場は大きな痛手だ。7月27日のセルジッペとの練習試合では、オーバーエイジの興梠慎三がゴールを挙げるも、ブラジル戦では無得点で完敗。「耐える」展開が長く続くなかで、明確な攻撃オプションを見出せずにいるだけに、久保に懸かる期待は大きかった。
なお、代役はバックアップメンバーのFW鈴木武蔵に決定。これでひとつ空いたバックアップメンバーには、千葉のFWオナイウ阿道を追加招集した。交渉に当たった霜田NDは、「17人でオリンピックを戦わなければいけないリスクを避けることを優先した。鈴木に関しては、久保、浅野、興梠と(FWを)3人で回すプランが崩れてしまったので、そのプランを立て直す時に、中盤ならどこでもできる野津田よりも、まずはFWをシンプルに補充したほうがいいという監督の判断」と説明した。
霜田NDによれば、メンバー18人がようやく決まり、手倉森監督は選手たちに「(バックアップメンバーを含む)この22人で戦うぞ」というメッセージがあったという。
4日のナイジェリア戦に向けて、手倉森ジャパンはいよいよ“本気モード”に突入する。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)
【PHOTOギャラリー】高温多湿のマナウスでのトレーニング――二日目
ヤングボーイズと最終交渉を行なう予定だった7月31日は、クラブ側は監督とコミュニケーションが取れていないことを理由に返答を先送り。8月1日まで待っても決着がつかず、8月2日午前中まで結論を伸ばしたが、最終的にヤングボーイズから届いたのは「3日の(チャンピオンズ・リーグの)試合が終わるまでは確約できない」という事実上の“派遣拒否通告”だった。
クラブの公式サイトで派遣拒否が発表され、突如勃発した「久保問題」。霜田正浩ナショナルチームダイレクター(ND)が直接交渉のため急遽スイスへ飛び、「条件次第では招集に協力してもらえる、というところまで差し戻してもらった」と軟化させることに成功したはずだった。しかし、「ギリギリのライン」(霜田ND)として設定した8月2日までに折り合いがつかず、久保の招集を断念せざると得なくなってしまった。
想定された事態とはいえ、手倉森ジャパンにとって、U-23世代のエースストライカーの欠場は大きな痛手だ。7月27日のセルジッペとの練習試合では、オーバーエイジの興梠慎三がゴールを挙げるも、ブラジル戦では無得点で完敗。「耐える」展開が長く続くなかで、明確な攻撃オプションを見出せずにいるだけに、久保に懸かる期待は大きかった。
なお、代役はバックアップメンバーのFW鈴木武蔵に決定。これでひとつ空いたバックアップメンバーには、千葉のFWオナイウ阿道を追加招集した。交渉に当たった霜田NDは、「17人でオリンピックを戦わなければいけないリスクを避けることを優先した。鈴木に関しては、久保、浅野、興梠と(FWを)3人で回すプランが崩れてしまったので、そのプランを立て直す時に、中盤ならどこでもできる野津田よりも、まずはFWをシンプルに補充したほうがいいという監督の判断」と説明した。
霜田NDによれば、メンバー18人がようやく決まり、手倉森監督は選手たちに「(バックアップメンバーを含む)この22人で戦うぞ」というメッセージがあったという。
4日のナイジェリア戦に向けて、手倉森ジャパンはいよいよ“本気モード”に突入する。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)
【PHOTOギャラリー】高温多湿のマナウスでのトレーニング――二日目

7月28日発売号のサッカーダイジェストの特集は、出場16か国の選手名鑑付きリオ五輪開幕直前ガイド。キャプテンの遠藤航選手、オーバーエージで参戦の塩谷司選手のインタビューに加えて、手倉森誠監督のインタビューから「メダル獲得への7大ポイント」を探ります。クラブダイジェストでは第1ステージの王者・鹿島アントラーズを取り上げ、さらにJ1&J2の補強動向、名古屋のハ・デソン選手のインタビューも掲載とボリューム満点の内容になっています。