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「がっかりしています」オランダ移籍後初ゴールも板倉滉からこぼれた“リアルな本音”。「アヤックスは勝たないといけない」「もっと自分のクオリティを示さないと」【現地発】

カテゴリ:日本代表

中田徹

2025年08月31日

ドイツで2得点の堂安には「チームも勝ってたからさすがだなと思います」

アヤックスでの“第1号”を決めた板倉。それでもドロー決着に終わり、厳しい評価を口にした。(C)Pro Shots/AFLO

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 この夏、ボルシアMG(ドイツ)からアヤックス(オランダ)への移籍を果たした板倉滉。8月17日のゴー・アヘッド・イーグルス戦(2-2で引き分け)でデビューしたものの足をつってしまい77分にベンチに退いたが、得意のスライディングタックルでピンチを防ぐなど、高い評価を受けた。続く24日のヘラクレス戦(2-0で勝利)は大事をとって休んだが、30日のフォレンダム戦(1-1の引き分け)で移籍後初ゴールを決めた。

 0-1のビハインドで迎えた61分だった。MFベルフハウスがニアに蹴ったCKを長身ストライカー、ウェフホルストがヘッドで後ろに逸らすと、フリーの板倉が軽いタッチのワンタッチシュートで難なくゴールを決めた。

「アヤックスで初ゴールを決めることができたのはもちろん嬉しいです。しかし結果にはがっかりしています。アヤックスはこういう試合で勝たないといけません」

 このゴールシーンが、板倉にとって最後のプレー。代わりに昨季のレギュラーだったシュタロがピッチに入った。

 昇格してきたばかりの小クラブ、フォレンダムを相手に勝点1しか獲れずに終わり、試合後の挨拶に来た選手たちに「恥ずかしいぞ!」というコールが飛んだ。板倉はオランダ人記者から「今日のアヤックスのプレーレベル(の低さ)にびっくりしましたか?」とド直球の質問を受けた。

「自分も含めてですが、基本的な戦うところ、走るところ、セカンドボールの競り合い、1対1のデュエル――そういったサッカーの基本的なところをチームとしてもっともっと成長していかないといけない。

 僕自身、もっと改善しないといけない。今日60分間プレーしましたが、もっと自分のクオリティを示さないといけない。うちにはクオリティの高いアタッカーたちがいます。一方、自分の仕事は相手を無得点に抑えて試合を終えること。それが最も重要なのに、今日は相手に先制点を許してしまいました」

 その失点シーンは開始まもない16分。味方CBバースが長身ストライカー、フェールマンと空中戦に競りにいったとき、少し前にいた板倉はカバーに入るためゴール方向にスプリントしようとした。しかし、ふたりの距離が短すぎたのと、板倉がまだバースより前にいたため、バースのクリアが意図せず板倉に当たってしまった。そこからデスコット→フェールマンと繋がれ、クリーンシュートを決められた。

――アンラッキーな失点だったのでは?

「アンラッキーでした。ディテールを詰めないといけない」

――バースとの間でミスコミュニケーションがあったんですか?

「ミスコミュニケーションは特になかった。もっともっと話しながらコミュニケーションを取らないといけない。相手の強みはロングボール。そこから失点したのは良くない。それを知っていただけに残念です」

 練り込まれたポゼッションと、ゴールへ向かう飽くなき姿勢が売り物のアヤックスのサッカー。まだ開幕まもないとはいえ、これまでのところ、アヤックスらしさは乏しい。板倉自身ももっとできるはずだ。

 そのなかで40分、単独ドリブルでバイタルエリアまでボールを運び、カーブをかけたシュートがあった。これはわずかに右ポストの外に外れたが、アヤックスが板倉に期待するものを出し切ったシーンだった。それでも板倉は「あれはちょっと見ながらというか、慣れないと、というか」と歯切れが悪い。

「周りの特徴も含めて、(いかに自分とチームを合わせていくか)見ながらやっているというのがあるんです。でも、あそこが空いてくるというのはある。前半、もっとそこを使っていけたらなというのがあります」
 
 右CBとしてプレーした板倉だったが、このシーンでは左側からドリブルを開始した。ふと、板倉は左側のほうがプレーしやすいのかな、と思ったが、日本代表では右CB(システムは3バック)でプレーすることが多いから、特に左がいいというわけではないだろう。それに対する板倉の答はこうだった。

「左のほうが(攻撃に)かけている人数が多いから(良いドリブルができた)。右でボールを持ったときに割とビルドアップが難しいと感じることが多い。左から攻めることができているのは、逆にチームの強みでもある。だから自分もドリブルしたのは左サイドからだった。『そこ(=左寄り)から作っていくしかないな』というのは、今日やりながら思ってました」

 説明を聞くと、右CBの板倉より、左CBバースのほうが攻撃の起点を作っていることが理解しやすい。まだまだ、チームとしても、板倉としてもやるべきことは多そうだ。

 この日、ドイツでは親友の堂安律(フランクフルト)が2ゴールを挙げた。

「見ました! 律も良いチームに行き、そこで中心選手として活躍している。代表でまた会えるのは嬉しいし、2点取っていたし、チームも勝ってたからさすがだなと思います」

 いよいよ9月の代表マッチウイーク。メキシコ、アメリカという強豪とのアウェーでの戦いが待っている。

「ワールドカップに向けて大事なテストマッチになってくる。いい内容で終えたいです」

取材・文●中田 徹
【動画】板倉滉がドンピシャボレーで決めた“アヤックス第1号”をチェック!

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