頼れる人材は限られている
スペインのアスレティック・ビルバオが“バスク純血主義”であることはよく知られている。
バスク純血主義とは、民族的にバスク人の血を引いているか、バスク自治州で生まれ育った選手か、そのいずれかに当てはまる選手だけでチームを構成し、戦うことを意味する。バスク人ではなくても、バスクの土壌で薫陶を受ければ、“バスク人”というわけだ。
現在、アスレティックの指揮を取るエルネスト・バルベルデ監督も、バスク人ではないが、幼少期をバスクのサッカークラブで過ごすことで、バスク人の誰よりもバスク人になったという。規律正しく、真面目で、最後まで不屈の精神で戦える。それがバスクの流儀だ。
ニコ・ウィリアムス、イニャキ・ウィリアムスの兄弟は、アフリカ系の選手だが、下部組織レサマで育って、バスクの血を受け継いでいる。今年1月に入団したマロアン・サンナディはレサマ育ちではないし、モロッコ系の選手だが、バスク地方のクラブで成長した。アルバロ・ジャロはマドリードで生まれ、バスク人でもないが、幼少期をバスクで過ごし、ポルトガルで活躍し、戻ってきた形だ。
こうして広がりはあるが、頼れる人材は限られている。
にもかかわらず、アスレティックは100年以上のクラブの歴史の中で、ただの一度も2部に落ちたことはない。限られた戦力で、結果を叩き出してきた。
バスク純血主義とは、民族的にバスク人の血を引いているか、バスク自治州で生まれ育った選手か、そのいずれかに当てはまる選手だけでチームを構成し、戦うことを意味する。バスク人ではなくても、バスクの土壌で薫陶を受ければ、“バスク人”というわけだ。
現在、アスレティックの指揮を取るエルネスト・バルベルデ監督も、バスク人ではないが、幼少期をバスクのサッカークラブで過ごすことで、バスク人の誰よりもバスク人になったという。規律正しく、真面目で、最後まで不屈の精神で戦える。それがバスクの流儀だ。
ニコ・ウィリアムス、イニャキ・ウィリアムスの兄弟は、アフリカ系の選手だが、下部組織レサマで育って、バスクの血を受け継いでいる。今年1月に入団したマロアン・サンナディはレサマ育ちではないし、モロッコ系の選手だが、バスク地方のクラブで成長した。アルバロ・ジャロはマドリードで生まれ、バスク人でもないが、幼少期をバスクで過ごし、ポルトガルで活躍し、戻ってきた形だ。
こうして広がりはあるが、頼れる人材は限られている。
にもかかわらず、アスレティックは100年以上のクラブの歴史の中で、ただの一度も2部に落ちたことはない。限られた戦力で、結果を叩き出してきた。
昨シーズンも、ラ・リーガで4位をキープし、新シーズンのチャンピオンズリーグ出場を手にしている。ヨーロッパリーグは準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに涙を呑んだが、クラブ規模を考えれば、十分に健闘したと言えるだろう。
彼らはむしろ限られた人材を大事にしている。また、人材育成で手を抜いたり、いい加減なことをしたり、少しでも間違えた道に進めば、未来がないことを承知しているのだろう。それだけに、クラブとして信じられないほどの一体感が出る。トップチームの選手や監督だけでなく、あらゆるクラブスタッフが誇りをもって仕事をし、下部組織は子供たちまでクラブの理念に恥じない行動を心掛けている。
Jリーグでは、資金力に恵まれ、つまらない試合でも応援に来てくれるファンを持ちながら、長年、J2に沈んでいるクラブがある。彼らはいろいろと言い訳をする。しかし、条件が揃いながら下部リーグに甘んじ続けているのは、クラブとしての怠慢でしかない。一体感になれないような構造を放置し、場当たり的な政策を選んでいるからだ。
過ぎたるは猶及ばざるが如し、か。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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