８月２日、私はリーズの本拠地エランド・ロードで行なわれたリーズ対ビジャレアルのプレシーズンマッチを取材した。

　リーズは今季、プレミアリーグ復帰を果たしたチームだ。スタジアムの収容人数は37,645人だが、間もなく53,000席に拡張される予定になっている。今回のゲームでは、プレシーズンマッチであるにもかかわらず、スタジアムが満員だったことに驚いた。これはリーズファンがいかに熱狂的であり、プレミア復帰に盛り上がっているかを示している。

　そして私は、昨シーズン、リーズの１部復帰に大きく貢献した日本代表MF田中碧のパフォーマンスを初めて生で見られることをとても楽しみにしていた。

　田中は、今プレミアリーグでプレーいている日本人選手たちと同様に、ヨーロッパの他国のリーグからイングランドにやってきた。

　リーズ１年目となった昨シーズンのパフォーマンスはイングランドで高い評価を受けており、ドイツ２部のデュッセルドルフから約300万ポンドで獲得したため、クラブの歴史上最もお得な選手の１人と考えられている。
 

　しかし今回のビジャレアル戦では先発から外れてベンチスタートとなった。試合はビジャレアルが62分に先制点を奪取。その失点直後に田中が投入される。ピッチに入る際には観客から大歓声を浴びた。日本人MFはタイト守備を披露し、チームに強度をもたらした。彼の投入後すぐにリーズは同点に追いつき、結局試合は１－１のドローで終わった。

　田中は守備的MFであるが、積極的に前線への攻撃参加を図る。その前向きな姿勢は、彼がピッチに立った約30分間を通じて明確に示された。

　ブンデスリーガの２部とチャンピオンシップ（イングランド２部）でしかプレーしたことがない彼が、世界のトップリーグであるプレミアの舞台でどんなプレーを見せるのか興味深い。

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー／1968年６月７日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA（全米大学体育協会）主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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