大会連覇を果たしたE-１選手権を経てA代表に定着し、そこからワールドカップのメンバーに選ばれる“ミラクル”を起こせるのは誰か。三笘薫、久保建英、遠藤航らコアメンバーがいるなかで森保ジャパンに選ばれるのは至難の業だが、その壁を打ち破りそうな候補のひとりとして識者の河治良幸氏が挙げたのは、アビスパ福岡のDF安藤智哉（26歳）だ。

「身体能力の高さが魅力で、それを活かしながら守備で潰す、攻撃ではボールを前に運んでいく。J３からの叩き上げでまるで物怖じせず、A代表の舞台でもすんなりプレーできていた点は素晴らしい。心の芯がしっかりしていて、彼がまず９月の代表活動に呼ばれれば世間的にも“希望の星”になります」

　2021年に当時J３リーグのFC今治でプロのキャリアをスタートさせた安藤は2023年にJ２リーグの大分トリニータに完全移籍で加入。新天地を福岡に求めた今季はCBとして躍動している。Jリーグでの実績は十分で、そうした経験が物怖じしないスタンスに繋がったのだろう。
 

　現在A代表のCBは冨安健洋をはじめ怪我人が複数人いる。そうした背景も、安藤を推す理由になると河治氏はいう。

「冨安選手や高井（幸大）選手が負傷中で、例えば瀬古（歩夢）選手は今季からフランスのル・アブールで新たなチャレンジをします。現実的に９月は彼ら欧州組のコンディションやパフォーマンスが安定しない時期なので、そうした側面も踏まえるとチャンスはありそうかなと」

　E-１選手権では迫力満点の攻撃参加でフィニッシュにも絡んだ安藤。「ゴール前まで入っていける彼の積極性は重要な“プラス１”になりそうです」と河治氏も称賛する”叩き上げのCB”がここからどんな成長曲線を描くか。希望の星になってほしい。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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