[総体準決勝]神村学園 2-1 尚志/8月1日/Jヴィレッジスタジアム
これまで全国大会で実に3度、ベスト4で涙をのんできた尚志は、プレミアリーグWEST所属の神村学園とのインターハイ準決勝に挑んだ。
前半25分にFW根木翔大のゴールで先制するも、後半14分に神村学園のMF佐々木悠太に目の覚めるようなミドルシュートを叩き込まれ、アディショナルタイムには佐々木に直接FKを沈められて1-2の逆転負け。“壁”を打ち破ることができなかった。
終了間際のFK。尚志のキャプテンであり、ディフェンスリーダーでもあるCB西村圭人は、このシーンをベンチで祈るように見つめていた。祈り届かず、ボールがゴールネットに突き刺さり、タイムアップのホイッスルが鳴った瞬間、彼はその場でうずくまった。
西村は178センチと上背はそれほどないが、空中戦の強さと対人能力の高さ、そして左右両足で繰り出すフィードを武器に、尚志の堅守を構築してきた。
3回戦の桐光学園戦では、前半アディショナルタイムにMF阿部大翔が退場となり、後半を丸々10人で戦うこととなったが、ずば抜けた統率力を発揮し、PK戦での勝利を手繰り寄せた。
帝京長岡との準々決勝でも、プレミアリーグWESTに所属する相手の1年生エース児山雅稀と、プロ注目の2年生アタッカー和食陽向を抑え込み、0-0からのPK戦勝利に貢献した。
高校は尚志へ進むと心に決めていた
そして神村学園戦でも気迫あふれるディフェンスと統率力、そしてビルドアップの起点となって抜群の存在感を放っていたが、試合終盤に右足首を負傷。神村学園MF福島和毅のミドルシュートに飛び込んだ際に激しい痛みが走り、そこから起き上がれず。タンカで運び出され、交代を告げられていた。
「残り時間を必死で戦ってくれる仲間をベンチで見つめるしかできなくて、本当に歯痒かったし、最後までピッチに立てない悔しさもありました」
試合後、目を真っ赤にしながら、こう思いを口にした西村は、悔しさだけではなく、プレミアで戦うチームのうまさ、したたさも学んだという。
「帝京長岡、神村学園とやりましたが、守備の強度、トランジションの速さ、攻撃の質がどれも高かった。一番感じたのは、フォワードが何回も動き直すので、そこの駆け引きの量がプリンスリーグ東北とはまったく違ったことと、最後のシーンのように、あの緊迫した場面できちんと決めてくるクオリティ。でも、一瞬も気が抜けないヒリヒリするような戦いと、質の高いフォワードとの駆け引きがものすごく楽しかったので、もっと経験したいし、自分が成長できる手応えも生まれました」
西村が着ている尚志のユニホームは、憧れのユニホームでもあった。新潟県三条市出身の彼は中学時代にアルビレックス新潟U-15でプレーしていたが、高校は尚志へ進むと心に決めていた。
その意思を生み出したのが、小学生の時に見た第97回全国高校サッカー選手権大会だった。2年生エースストライカーの染野唯月を擁した尚志は、ベスト4に進出すると、優勝候補の青森山田に対して歴史に残る大熱戦を演じた。染野のハットトリックで3-3というスコアから無念のPK戦負けを喫したが、埼玉スタジアムで見せた尚志の鮮やかなパスワークとエースの爆発に、西村の心は一瞬にして奪われた。
「パスをしっかりとつなぐ楽しそうなサッカーをやっていて、『尚志でサッカーをやりたい』と強く思いました」
中学3年生の時、U-18の昇格を告げられたが、面談で尚志に進学希望の意思を伝えた。西村のもとに尚志からオファーが来ていなかったが、親と協力してネットで調べると、夏にセレクションが行なわれるという情報を得て、自ら申し込んだ。
「残り時間を必死で戦ってくれる仲間をベンチで見つめるしかできなくて、本当に歯痒かったし、最後までピッチに立てない悔しさもありました」
試合後、目を真っ赤にしながら、こう思いを口にした西村は、悔しさだけではなく、プレミアで戦うチームのうまさ、したたさも学んだという。
「帝京長岡、神村学園とやりましたが、守備の強度、トランジションの速さ、攻撃の質がどれも高かった。一番感じたのは、フォワードが何回も動き直すので、そこの駆け引きの量がプリンスリーグ東北とはまったく違ったことと、最後のシーンのように、あの緊迫した場面できちんと決めてくるクオリティ。でも、一瞬も気が抜けないヒリヒリするような戦いと、質の高いフォワードとの駆け引きがものすごく楽しかったので、もっと経験したいし、自分が成長できる手応えも生まれました」
西村が着ている尚志のユニホームは、憧れのユニホームでもあった。新潟県三条市出身の彼は中学時代にアルビレックス新潟U-15でプレーしていたが、高校は尚志へ進むと心に決めていた。
その意思を生み出したのが、小学生の時に見た第97回全国高校サッカー選手権大会だった。2年生エースストライカーの染野唯月を擁した尚志は、ベスト4に進出すると、優勝候補の青森山田に対して歴史に残る大熱戦を演じた。染野のハットトリックで3-3というスコアから無念のPK戦負けを喫したが、埼玉スタジアムで見せた尚志の鮮やかなパスワークとエースの爆発に、西村の心は一瞬にして奪われた。
「パスをしっかりとつなぐ楽しそうなサッカーをやっていて、『尚志でサッカーをやりたい』と強く思いました」
中学3年生の時、U-18の昇格を告げられたが、面談で尚志に進学希望の意思を伝えた。西村のもとに尚志からオファーが来ていなかったが、親と協力してネットで調べると、夏にセレクションが行なわれるという情報を得て、自ら申し込んだ。