多くの決定機を作り出すも
[J1第24節]鹿島 3-2 柏/7月20日/メルカリスタジアム
3-4-2-1をベースに、相手を惑わす柔軟なポジショニングでボールを回し、チャンスを作っていく。それでもシュート17本を放ち、枠内は4本のみ。
しかもゴールを決めるなど好調ぶりが光ったウイングバックの小屋松知哉のPK失敗に続き、2-2で迎えた後半アディショナルタイムにはキャプテンマークを巻き、それまで好守備を続けていたCB古賀太陽が、ゴール前でまさかのパスミス。劇的な決勝弾を奪われ、柏は悔しすぎる敗戦を喫した。
柏にとって前節、首位に浮上して迎えたアウェーの鹿島戦。逆に前節に3連敗で首位から陥落した鹿島に序盤は押され気味だったが、前半途中からはリズムを掴んだ。
2点を先行されるなか、前半終了間際には小屋松が反撃の狼煙を上げる1点を挙げ、76分には夏の移籍で川崎から“復帰した”瀬川祐輔が華麗なトラップから同点弾。
直後には前述のPKを含め何度も決定機を作っていた。しかしシュートはことごとく枠外に飛び、後半アディショナルタイムにワンチャンスを仕留められた。
“リカさん”の愛称で慕われるリカルド・ロドリゲス監督は、試合後、選手たちを振るい立たせようとすぐにグラウンドの中へ走り、ゴール裏でもサポーターと選手を奮起させようと激しいジェスチャーを繰り返した。試合後には熱く語った。
「サッカー界ではこのようなアクシデント的な敗退があるものです。今日はそのような形での敗退だったと捉えています。0-2という形で試合が進んでしまいました。2失点目に関してはあれがファウルだったのかどうか、改めて映像を確認したいですが、いずれにせよ、このようなアウェーの素晴らしい雰囲気の中での試合、そして我々には若い選手が多いなか、そのような選手とともに、今日難しい状況にも関わらず、内容的にも相手を上回る形で素晴らしいプレーをしていたと思います。
そして1-2、2-2と追いつき、逆転につながるPKも勝ち取ることができました。そういう意味でも私はこのチームを誇りに思いますし、このような試合、このような内容でプレーした場合、10試合戦えば9試合には勝ち、そしてアクシデント的に1試合負けることはあると思います。その1試合が今日だったと私は解釈しているので、落ち着いて物事を捉えています。 そしてこのチームがこのようなプレーを続けていくことこそがタイトル争い、リーグ優勝につながるはずで、これを続けていきたいです」
指揮官は試合後には選手たちに呼びかけたという。
「このようなプレーを続けることこそが、優勝につながる。我々は優勝できる。そのようなメッセージを伝えました。もちろんこのようなアクシデント的に負けることがあります。私も悔しい気持ちで一杯で選手たちも悔しい気持ちを持っています。けれども彼らに伝えたのは落ち着こうということ。このようなプレーこそが優勝につながる。リーグは長い戦いであって、シーズンを通じてよりクオリティの高いサッカーを表現するチームこそが優勝に値する。我々はその道を歩み続けている」
3-4-2-1をベースに、相手を惑わす柔軟なポジショニングでボールを回し、チャンスを作っていく。それでもシュート17本を放ち、枠内は4本のみ。
しかもゴールを決めるなど好調ぶりが光ったウイングバックの小屋松知哉のPK失敗に続き、2-2で迎えた後半アディショナルタイムにはキャプテンマークを巻き、それまで好守備を続けていたCB古賀太陽が、ゴール前でまさかのパスミス。劇的な決勝弾を奪われ、柏は悔しすぎる敗戦を喫した。
柏にとって前節、首位に浮上して迎えたアウェーの鹿島戦。逆に前節に3連敗で首位から陥落した鹿島に序盤は押され気味だったが、前半途中からはリズムを掴んだ。
2点を先行されるなか、前半終了間際には小屋松が反撃の狼煙を上げる1点を挙げ、76分には夏の移籍で川崎から“復帰した”瀬川祐輔が華麗なトラップから同点弾。
直後には前述のPKを含め何度も決定機を作っていた。しかしシュートはことごとく枠外に飛び、後半アディショナルタイムにワンチャンスを仕留められた。
“リカさん”の愛称で慕われるリカルド・ロドリゲス監督は、試合後、選手たちを振るい立たせようとすぐにグラウンドの中へ走り、ゴール裏でもサポーターと選手を奮起させようと激しいジェスチャーを繰り返した。試合後には熱く語った。
「サッカー界ではこのようなアクシデント的な敗退があるものです。今日はそのような形での敗退だったと捉えています。0-2という形で試合が進んでしまいました。2失点目に関してはあれがファウルだったのかどうか、改めて映像を確認したいですが、いずれにせよ、このようなアウェーの素晴らしい雰囲気の中での試合、そして我々には若い選手が多いなか、そのような選手とともに、今日難しい状況にも関わらず、内容的にも相手を上回る形で素晴らしいプレーをしていたと思います。
そして1-2、2-2と追いつき、逆転につながるPKも勝ち取ることができました。そういう意味でも私はこのチームを誇りに思いますし、このような試合、このような内容でプレーした場合、10試合戦えば9試合には勝ち、そしてアクシデント的に1試合負けることはあると思います。その1試合が今日だったと私は解釈しているので、落ち着いて物事を捉えています。 そしてこのチームがこのようなプレーを続けていくことこそがタイトル争い、リーグ優勝につながるはずで、これを続けていきたいです」
指揮官は試合後には選手たちに呼びかけたという。
「このようなプレーを続けることこそが、優勝につながる。我々は優勝できる。そのようなメッセージを伝えました。もちろんこのようなアクシデント的に負けることがあります。私も悔しい気持ちで一杯で選手たちも悔しい気持ちを持っています。けれども彼らに伝えたのは落ち着こうということ。このようなプレーこそが優勝につながる。リーグは長い戦いであって、シーズンを通じてよりクオリティの高いサッカーを表現するチームこそが優勝に値する。我々はその道を歩み続けている」
一方、最終盤に痛恨のパスミスをしてしまった古賀は、気丈に振る舞った。
「前回対戦と同じように先制点を取られてしまいましたし、トラジション、セットプレーは相手のストロングだったと思いますし、そこはゼロに抑えてやっていかないと、難しい試合になると改めて感じました。
ゲーム内容では攻撃の部分で相手を上手く走らせることができていましたし、得点の形だったり、あと一歩というところは何回も作れたので、ポジティブに捉えたいです。ただ、最後に自分がゲームを壊してしまったのは事実。そこは責任を感じています。僕自身もここに懸ける想いは強かったので、悔しさは強いですが、幸いまだトップ争いをできる位置にいられると思いますので、次、残りの試合で挽回したい。技術ミス、判断ミスが重なってしまいました」
また、試合後には涙を流した小屋松は、まだ目は赤いままだったが、ミックスゾーンで前を向いた。
「内容的にはチームとして悪くなかったですし、失点のしかたはふたつとも何もないところからだったので難しかったですが、チームとしては良いサッカーをできていましたし、質の高いゲームができたので、僕のところで壊してしまったのは本当に申し訳ないです。
今日のゲームの大切さはみんなも分かっていましたし、僕自身も分かっていたので、あのPKを沈められないのは、まだまだ自分に弱さがあるのかなと実感しています。チームには申し訳ないことをしてしまいました...。そこは反省しつつ、リーグはありますし、勝利に貢献できるようにもう一回準備していきたいです。
監督もチームメイトもスタッフも『顔を上げて』『上を向いて』と励ましくれました...嬉しかったですが、プロとして今日のPKは良くも悪くも成長の糧にしなくちゃいけないと感じます」
リーグ制覇へ、リカルド・ロドリゲス体制となった今季はまたとないチャンスと言えるだろう。前述したように展開しているサッカーは機能美に優れ、複数人が流動的に崩しに関わる姿は、多くの人の心を掴む。Jリーグで今、最も面白いサッカーを展開していると評しても過言ではないだろう。
瀬川も語った。
「今日は結果につなげられませんでしたが、内容としては自分たちのサッカーをできたと思っています。今やっていることは間違っていないですし、これを勝ちに持っていけるチャンスが多ければ多いほど優勝に近づける。自分たちを信じて。
今日も痛い負けでしたが、ロッカールームの雰囲気も締めたあとはそこまで悪くなかったですし、なんなら今日前半が終わった時のほうがみんな下を向いているなと。ただ優勝のライバルに“ダブル”を食らっているということは、僕は前期にいなかったですが、サポーターの皆さんを含めて悔しい気持ちのはずなので、切り替えたいです。でも良い準備をしてきたからこそ今日の負けが悔しいはずなので、自分たちがやっていることは間違ってないと思います」
ただ、今後、トップに立つためには、この日の鹿島のように、身を削りながらでもゴールを守り、なりふり構わず勝利を目指す試合も必要になるのだろう。
チームは確かに進化している。このサッカーをぜひとも続けてもらいたい。ただ一方で、勝負強さも身に付けられるか、致命的なミスを減らせるか、フィニッシュ精度を高められるかが、シャーレを手にするための大きなポイントに映る。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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「前回対戦と同じように先制点を取られてしまいましたし、トラジション、セットプレーは相手のストロングだったと思いますし、そこはゼロに抑えてやっていかないと、難しい試合になると改めて感じました。
ゲーム内容では攻撃の部分で相手を上手く走らせることができていましたし、得点の形だったり、あと一歩というところは何回も作れたので、ポジティブに捉えたいです。ただ、最後に自分がゲームを壊してしまったのは事実。そこは責任を感じています。僕自身もここに懸ける想いは強かったので、悔しさは強いですが、幸いまだトップ争いをできる位置にいられると思いますので、次、残りの試合で挽回したい。技術ミス、判断ミスが重なってしまいました」
また、試合後には涙を流した小屋松は、まだ目は赤いままだったが、ミックスゾーンで前を向いた。
「内容的にはチームとして悪くなかったですし、失点のしかたはふたつとも何もないところからだったので難しかったですが、チームとしては良いサッカーをできていましたし、質の高いゲームができたので、僕のところで壊してしまったのは本当に申し訳ないです。
今日のゲームの大切さはみんなも分かっていましたし、僕自身も分かっていたので、あのPKを沈められないのは、まだまだ自分に弱さがあるのかなと実感しています。チームには申し訳ないことをしてしまいました...。そこは反省しつつ、リーグはありますし、勝利に貢献できるようにもう一回準備していきたいです。
監督もチームメイトもスタッフも『顔を上げて』『上を向いて』と励ましくれました...嬉しかったですが、プロとして今日のPKは良くも悪くも成長の糧にしなくちゃいけないと感じます」
リーグ制覇へ、リカルド・ロドリゲス体制となった今季はまたとないチャンスと言えるだろう。前述したように展開しているサッカーは機能美に優れ、複数人が流動的に崩しに関わる姿は、多くの人の心を掴む。Jリーグで今、最も面白いサッカーを展開していると評しても過言ではないだろう。
瀬川も語った。
「今日は結果につなげられませんでしたが、内容としては自分たちのサッカーをできたと思っています。今やっていることは間違っていないですし、これを勝ちに持っていけるチャンスが多ければ多いほど優勝に近づける。自分たちを信じて。
今日も痛い負けでしたが、ロッカールームの雰囲気も締めたあとはそこまで悪くなかったですし、なんなら今日前半が終わった時のほうがみんな下を向いているなと。ただ優勝のライバルに“ダブル”を食らっているということは、僕は前期にいなかったですが、サポーターの皆さんを含めて悔しい気持ちのはずなので、切り替えたいです。でも良い準備をしてきたからこそ今日の負けが悔しいはずなので、自分たちがやっていることは間違ってないと思います」
ただ、今後、トップに立つためには、この日の鹿島のように、身を削りながらでもゴールを守り、なりふり構わず勝利を目指す試合も必要になるのだろう。
チームは確かに進化している。このサッカーをぜひとも続けてもらいたい。ただ一方で、勝負強さも身に付けられるか、致命的なミスを減らせるか、フィニッシュ精度を高められるかが、シャーレを手にするための大きなポイントに映る。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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