川崎フロンターレは６月21日、J１第21節でヴィッセル神戸とホームで対戦し、１－２の逆転負け。７試合ぶりの黒星となった。

　長谷部茂利監督は、これまで比較的、ボール保持にはこだわらない姿勢でチーム作りを進めてきた。良い守備から良い攻撃。攻撃的なサッカーを磨いてきたチームに、新たに植え付けようとするスタイルの効果もあり、今シーズンの前半戦はクリーンシートで勝ち切る試合も多かった。

　しかし、ここ最近は２試合連続で２－２のドローに終わった５月21日の第13節・浦和戦、同25日の第18節・G大阪戦を見ても、多少失点が増えてきた印象もある。

　今回の神戸戦でボールを保持して試合を優位に進めてられていたのは、前半の立ち上がりと、試合終盤のみ。それ以外は、神戸に高い位置から激しいプレッシャーを受け、思うように前進できず、主導権を握られて宮代大聖に２ゴールを許した。

　そのなかでCBの高井幸大は、ボールを持てば前を向いて効果的なロングボールを供給して攻撃のスイッチを入れた。ただ、川崎らしいテンポの良い繋ぎのビルドアップはあまり見せられず、最終ラインからボランチにつける縦パスも少なかった。
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　高井もそれは感じていたようで、試合後に「縦パスは入れにくかった？」と訊くと、こう答えた。

「そうですね。立ち位置のところは、もう少し動かしていくべきだと思います。ボランチとトップ下の三角形は、距離がちょっと遠いかなとは思いながら、試合をしていました」

　20歳の日本代表DFが指摘したのは、中盤の距離感。また攻撃の時間の少なさについても、次のように語った。

「こういう強度の高い相手がJリーグの中でも増えていると思う。そういうチームに対してどう戦うかは、自分たちの課題だと思います。どれだけ自分たちが攻撃で上回れるかが大切になる。今日も１点だけでしたし、もっと攻撃の時間を増やしていかないといけない。

　失点もすごくもったいない２失点。絶対に防げたと思うんですけど、それよりも攻撃のところをもっと改善しなきゃいけないかなと思います」

　攻撃でどう相手を上回っていくか。現在８位の川崎が、これから上位陣を追撃していくためにも、最優先で向き合っていくべき課題かもしれない。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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