左利きで184センチ。無限の可能性を秘めたDF川島鳳翔（２年）が佐野日大を10年ぶりのインターハイ出場に導いた。

　インターハイの栃木県予選決勝が６月17日に行なわれ、佐野日大が真岡を１−０で撃破。６大会連続で夏の全国大会に出場していた矢板中央が準決勝で姿を消したなか、持ち前の堅守速攻で鳴らす佐野日大が、昨季から取り組んでいるテクニカルなスタイルも織り交ぜて凱歌をあげた。

「選手たちがよく頑張ってくれました」と海老沼秀樹監督が労ったように、全員の力で勝ち取った久々の全国舞台。チームキャプテンのFW柿沼楓音（３年）とゲームキャプテンのCB大垣拓海（３年）を中心にタフに戦い続けた一戦で、特徴を発揮した選手がいる。CBの川島だ。

　空中戦の強さだけではなく、地上戦でも強みを発揮し、インテンシティの高い守りで勝利に貢献。30度以上の気温でも最終盤まで足は止まらない。攻撃面でも精度の高いフィードを披露し、２年生ながらポテンシャルの高さを見せつけた。

　小学校までは攻撃的なポジションを任され、サイズとスピードを生かしたアタッカーだった川島。中学時代にCBへコンバートされ、本格的に守備的なポジションでのプレーをスタートさせた。中学時代は藤枝市選抜どまりで、県選抜などに抜擢される経歴もなかったため、さらなるステップアップを目ざして佐野日大への進学を決めた。

「本当に環境が良くて、寮に入ればサッカーに集中できる。自分としてもこのサッカーで勝負をしたいと思っていたんです」（川島）
【画像】広瀬すず・ガッキー・永野芽郁・川口春奈！ 初代から最新20代目の月島琉衣まで「選手権・歴代応援マネージャー」を一挙公開！

　１年次からトップチームで出場機会を得て、迎えた今季は３−４−２―１の左CBでレギュラーに定着。特徴を出している一方で、課題も少なくない。経験値とコーチングの声が少ない点は改善すべきで、本人も自覚している。

「学校生活など、普段は声が出るんですけど、サッカーになると声が出なくなってしまう。多分、自分のプレーに自信がないから味方に強く言えないんだと思います」（川島）

　そこに関してはもっと積極的にリーダーシップを発揮してほしいと指揮官も願っている。

「これじゃダメだと本人も自覚していると思う。上でやりたいという気持ちがあるんだったら、リーダーシップの面は変えないといけない。今はCBでキャプテンの大垣と一緒にプレーして、真似しながらやってくれていると思うけど、性格的に変えていかないといけない」

　フィジカル面でもまだまだ線が細く、66キロしかない。筋力トレーニングや食トレに力を入れる必要があり、やるべきことは多岐にわたる。

　だからこそ、夏の全国舞台は自分を変える絶好の機会だ。「全国大会に行って、もっと強いやつがいっぱいいるというのを経験して欲しい」とは海老沼監督の言葉。今の自分に足りないところを全国基準で知れれば、自分との向き合い方もまた変わる。新たな刺激を受ければ、成長スピードも加速するはずだ。

　大学経由でプロを目ざす左利きのCBの挑戦はまだ始まったばかり。「アピールしたい」と意気込む川島は、さらなる成長を目ざして夏のインターハイに足を踏み入れる。

取材・文●松尾祐希（サッカーライター）

【画像】美女がずらり!! 真野恵里菜、平愛梨、高梨臨…新旧日本代表を支える”タレント&モデルの妻たち”

【画像】絶世の美女がずらり！ Ｃ・ロナウドの“元恋人＆パートナー”たちを年代順に一挙公開！

【記事】「長袖のインナーを着てくれと」元日本代表MFが代表戦での“タトゥー隠し”を告白「たまたま着ていなかった時に点を決めて新聞に…」