［北中米W杯アジア最終予選］日本 ６－０ インドネシア／６月10日／市立吹田サッカースタジアム

　スカッとする完勝だったね！ 

　ワールドカップ予選のラスト２試合が組まれた６月シリーズで、５日前のオーストラリア戦は０－１で敗れて予選初黒星。連敗だけは避けたい。迎えたインドネシア戦で、日本は６－０の大勝利。先制点を挙げた鎌田が２点、久保、森下、町野、細谷も決めて、ゴールラッシュで締めくくった。

　インドネシアは、かなり引き気味に守ってきた。最終ラインは５人、中盤は４人。日本は攻めあぐねるかと思ったけど、15分にさっそく鎌田のヘディングシュートで先手を取って、勢いづいたね。

　その鎌田のゴールをお膳立てしたのが、左ウイングバックで先発してA代表デビューを飾った三戸。左サイドで深い位置を取ってから、狙いすましたクロスを送り込んだ。さっそく目に見える結果を残してみせた。

　アシスト以外でも、一つひとつのプレーにキレがあって、鋭い仕掛けを何度も見せていた。グッと前に出て、キュッとターンしたり。アジリティは相当に高そうだね。相手も三戸のスピードに苦労したと思うよ。
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　左ウイングバックは三笘や中村らライバルが強烈。そこに割って入ることができるか。このポジションは攻撃だけでなく、精力的かつ献身的な守備が求められる。攻守の両局面でタフに戦わないとならない。

　シャドーで起用しても面白そうだけど、サイドに比べたらスペースが限られてくるし、そうなると三戸の持ち味も発揮しづらいかもしれない。今の森保ジャパンの３－４－２－１で考えるなら、やっぱりサイドが良いかもね。

　いずれにしても、一発目のアピールとしては、上々のパフォーマンスだったと思う。あの一瞬のスピードは本当に魅力的。まだ22歳で伸び盛り。ここからグッと成長してきそうな感じだ。

　ちなみに、今回の試合でもう１人、気になったのが、インドネシアの10番、オレ・ロメニー。チームとして完敗の内容で、１トップの彼にほとんど見せ場はなかったけど、それでもキープした時の力強さ、前を向いた時の迫力は“雰囲気”があった。インドネシアはC組の４位でプレーオフに回る。ロメニーの活躍が鍵を握るんじゃないかな。

【著者プロフィール】
岩本輝雄（いわもと・てるお）／1972年５月２日、53歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ／平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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