［W杯最終予選］日本 ０－１ オーストラリア／６月５日／パーススタジアム

　最終予選で９試合目にして初めての黒星。日本はアウェーでオーストラリアに０－１で負けた。

　ほとんど日本ペースの試合で、でも点が取れない。今日はこのまま引き分けかな、と思っていたら、90分に失点。一瞬の隙を突かれたね。

　すでにワールドカップ出場を決めている日本と、予選突破がかかっていたオーストラリア。“本気モード”では相手のほうが上だった？ それは日本も変わらないと思うけど、最後は悔しい結果になってしまったね。

　日本のメンバーはフレッシュな顔ぶれだった。代表での経験は浅いかもしれないけど、それでも実力のある選手たち。連係面では当然ながら、物足りなかったとはいえ、それは仕方がないこと。個々で見れば、それぞれが懸命にチャレンジしていたし、可能性を感じさせた。

　そのなかで特に印象に残ったのが、シャドーに入った鈴木。ヨーロッパでの経験が活きているんだろうね、以前に比べて逞しさが増していた。

　狭い局面でもしっかりと前を向けるし、チャンスメイクで存在感を放っていた。球際もタフに戦っていて、一つひとつのプレーが力強いというか、確かな自信が伝わってきた。
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　決定的な仕事はできなかったけど、十分に期待に応えるパフォーマンスだったんじゃないかな。だからこそ、次は遠藤や三笘、上田ら主力メンバーが揃ったなかで見てみたいと思った。

　今回は久保や鎌田との絡みがあったなかでも、ある意味、堂々とプレーしていた。激戦区のシャドーで有力な候補者になりえる存在。来季はブンデスに新天地を求めて、さらに進化するはず。ワールドカップ本番まで、あと１年。今後の成長が楽しみだね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄（いわもと・てるお）／1972年５月２日、53歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ／平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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