イタリアでの１年目は、周囲の予想を超える出来だった。

　日本代表GKの鈴木彩艶は今季、セリエAに昇格したパルマに移籍。“GK大国”と言われるイタリアでレギュラーの座をつかみ、リーグ戦で37試合に出場した。

　開幕当初から身体能力を生かしたセービングや高精度のキックを生かした攻撃関与が称賛された鈴木は、第３節ナポリ戦で一発退場。チームが逆転負けを喫したこともあり、批判を浴びた。だが、出場停止明けからは再びゴールマウスを託され、その後は一度もポジションを譲っていない。

　激しく残留を争った終盤戦では、たびたびのビッグセーブでチームを救った。パルマは最終節でセリエA残留を果たし、鈴木は貢献したひとりとして大きな賛辞を受けている。

　パルマ専門サイト『Parma Live』は５月27日、「無名の存在として加入したが、今では欧州の半分から求められている」「序盤からパルマが期待した理由を示した」と、鈴木を称賛した。

「セリエAのような高いレベルでの経験が少なかったことによるいくつかのしくじりを除けば、日本人選手はすぐにパルマの次元となり、シーズン中の難局においても有数の輝きを見せた。ファビオ・ペッキア前監督もクリスティアン・キブ現監督も、彼にゴールマウスの鍵を託し、彼はこの舞台に準備できていることを示した」

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　同メディアは「今季における彼の重要性は否定できないものだ。多くの試合で結果を残すために不可欠だった」と続けている。

「今季の新戦力の中では最高の存在だった。出場試合数で上回ったのは、レッチェのラサナ・クリバリのみ。ただ、出場時間ではライバル不在。カリアリのセバスティアーノ・ルペルトを75分上回って3315分間だ」

「パルマの目標は、ビッグクラブの攻撃からスズキを守ることだ。来季も彼が戦列にいれば、それだけですでに大きな安心となるだろう」

　ただ、これだけの活躍だっただけに、強豪からの関心をめぐるうわさは後を絶たない。マンチェスター・ユナイテッドの注目は周知のとおり。ほかにも、直近でもバイエルンやチェルシーなど、世界的な名門クラブから狙われていると言われているところだ。

　残留したパルマで続けるのか、ステップアップを目指すのか。鈴木の今後が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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