「めっちゃ喜んで『やっと代表入れんねや』と思ったら…」奥川雅也、幻の初招集。あの時何が起こったのか「日本代表はサッカー選手である限り諦めない」【直撃インタビュー】
カテゴリ:日本代表
2025年05月30日
「でもこれ、完全にラボのミスで」
今年1月、奥川雅也が京都サンガF.C.に戻ってきた。30歳を前にして10年ぶりの復帰である。
奥川はプロ1年目の2015年にサンガから、レッドブル・ザルツブルクに活躍の場を移して以降、オーストリアとドイツを転戦。リーフェリング、マッテルスブルク、ホルシュタイン・キール、ビーレフェルト、アウグスブルク、ハンブルクと計7つの海外クラブを渡り歩いた。
発見、歓喜、挫折、怪我――。様々な経験を経て、プロキャリアの原点で再出発する29歳は、異国で何を感じ、そして今何を思うのか。インタビューで胸の内に迫った(第5回/全6回)。
【#1】「自分自身が1番びっくりしました」奥川雅也も驚いた京都復帰。なぜ海外挑戦に区切り?この10年で何が変わった?
【#2】「あの衝撃は日本ではそうそう経験できない」奥川雅也が語る“既に怪物だった”ハーランド。ブンデスで8Gを挙げながら…2年連続降格も回想
【#3】奥川雅也にじっくり訊く。最も衝撃を受けた選手は?“古都のネイマール”の愛称どう思う?ブンデス2戦目のDFがとんでもなかった「こんな選手いるんや!」
――◆――◆――
世代別代表で日の丸を背負い、若くして海を渡った奥川だが、A代表で戦った経験は一度もない。ただ、選出された経験はある。ザルツブルク在籍時の2020年11月、同じオーストリアのグラーツでパナマ、メキシコとの親善試合が組まれた際だ。
ついに念願が叶った瞬間だったが、まさかの招集見送りに。日本サッカー協会は当時、その理由を次のように説明した。
「ザルツブルクは11月のFIFAインターナショナルマッチカレンダーにて各国の代表活動に参加する選手に対し、8日に新型コロナウイルスに対する検査を行ない、6選手に陽性反応が見られました。これを受けて翌9日、改めて所属選手全員に検査を行なったところ、全選手の陰性が確認されました。日本サッカー協会は、2回の検査結果および行動履歴などを総合的に評価するとともに、既に各クラブから招集している23選手の安全・安心を最優先とする観点から、今回奥川選手の招集を見送る判断をいたしました」
奥川はプロ1年目の2015年にサンガから、レッドブル・ザルツブルクに活躍の場を移して以降、オーストリアとドイツを転戦。リーフェリング、マッテルスブルク、ホルシュタイン・キール、ビーレフェルト、アウグスブルク、ハンブルクと計7つの海外クラブを渡り歩いた。
発見、歓喜、挫折、怪我――。様々な経験を経て、プロキャリアの原点で再出発する29歳は、異国で何を感じ、そして今何を思うのか。インタビューで胸の内に迫った(第5回/全6回)。
【#1】「自分自身が1番びっくりしました」奥川雅也も驚いた京都復帰。なぜ海外挑戦に区切り?この10年で何が変わった?
【#2】「あの衝撃は日本ではそうそう経験できない」奥川雅也が語る“既に怪物だった”ハーランド。ブンデスで8Gを挙げながら…2年連続降格も回想
【#3】奥川雅也にじっくり訊く。最も衝撃を受けた選手は?“古都のネイマール”の愛称どう思う?ブンデス2戦目のDFがとんでもなかった「こんな選手いるんや!」
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世代別代表で日の丸を背負い、若くして海を渡った奥川だが、A代表で戦った経験は一度もない。ただ、選出された経験はある。ザルツブルク在籍時の2020年11月、同じオーストリアのグラーツでパナマ、メキシコとの親善試合が組まれた際だ。
ついに念願が叶った瞬間だったが、まさかの招集見送りに。日本サッカー協会は当時、その理由を次のように説明した。
「ザルツブルクは11月のFIFAインターナショナルマッチカレンダーにて各国の代表活動に参加する選手に対し、8日に新型コロナウイルスに対する検査を行ない、6選手に陽性反応が見られました。これを受けて翌9日、改めて所属選手全員に検査を行なったところ、全選手の陰性が確認されました。日本サッカー協会は、2回の検査結果および行動履歴などを総合的に評価するとともに、既に各クラブから招集している23選手の安全・安心を最優先とする観点から、今回奥川選手の招集を見送る判断をいたしました」
サッカーとは全く関係のない部分で、チャンスが潰えてしまったのである。当然、ショックは大きかった。
「オーストリアでキャンプがあるって聞いた時は、チャンピオンズリーグで点も取ったりしていたので、ちょっと期待していたんですけど、コロナのこともあって『中々難しいだろうな』とは思っていました。でもアウェーゲームの前日練習が終わった時に、コーチが僕を笑顔で迎えてくれて、『なんでそんな笑ってんの?』って聞いたら、『おめでとう』『アウェーの試合が終わったら、日本代表がキャンプしているから、グラーツに行ってくれ』と言われました。めっちゃ喜んで、『やっと代表入れんねや』と思ったら、まさかのコロナ。
でもこれ、完全にラボのミスで。全員陰性だったのに、陽性って出ちゃったんです。それで他のヨーロッパの代表のチームメイトたちが『もう1回検査してくれ』って言って、検査をしたら全員陰性で『行けるやん!』ってなって、ヨーロッパの選手たちはみんな行ったんですよ。ただ僕は結局、行けませんでした。運が悪いというか。でも怪我していたので…『あのままやっていたら、その怪我が酷くなって』とか色々考えたら…」
幻の初招集から約5年。今夏には国内組主体で臨むと見られる、EAFF E-1サッカー選手権が開催されるなか、奥川は静かに闘志を燃やしている。
「日本代表はサッカー選手である限り、諦めることがない場所だと思います。でもずっと『行きたい、行きたい』と言っていても行ける場所ではないので、怪我しない身体作りや、目の前の1戦1戦を大事にすることが選手として1番大事です。それで結果がついくれば、日本代表に入るチャンスが広がると思うので、まずは自分のコンディションやチーム状況を考えながら。心の奥底には『日本代表に入りたい』という目標があるので、そこを基準に、周りと一緒にレベルアップしていって、最終的に辿り着ければいいかなと思います」
サンガで躍動する29歳は、初キャップを刻めるか。目の前の1戦1戦が夢の扉を開く鍵となる。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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「オーストリアでキャンプがあるって聞いた時は、チャンピオンズリーグで点も取ったりしていたので、ちょっと期待していたんですけど、コロナのこともあって『中々難しいだろうな』とは思っていました。でもアウェーゲームの前日練習が終わった時に、コーチが僕を笑顔で迎えてくれて、『なんでそんな笑ってんの?』って聞いたら、『おめでとう』『アウェーの試合が終わったら、日本代表がキャンプしているから、グラーツに行ってくれ』と言われました。めっちゃ喜んで、『やっと代表入れんねや』と思ったら、まさかのコロナ。
でもこれ、完全にラボのミスで。全員陰性だったのに、陽性って出ちゃったんです。それで他のヨーロッパの代表のチームメイトたちが『もう1回検査してくれ』って言って、検査をしたら全員陰性で『行けるやん!』ってなって、ヨーロッパの選手たちはみんな行ったんですよ。ただ僕は結局、行けませんでした。運が悪いというか。でも怪我していたので…『あのままやっていたら、その怪我が酷くなって』とか色々考えたら…」
幻の初招集から約5年。今夏には国内組主体で臨むと見られる、EAFF E-1サッカー選手権が開催されるなか、奥川は静かに闘志を燃やしている。
「日本代表はサッカー選手である限り、諦めることがない場所だと思います。でもずっと『行きたい、行きたい』と言っていても行ける場所ではないので、怪我しない身体作りや、目の前の1戦1戦を大事にすることが選手として1番大事です。それで結果がついくれば、日本代表に入るチャンスが広がると思うので、まずは自分のコンディションやチーム状況を考えながら。心の奥底には『日本代表に入りたい』という目標があるので、そこを基準に、周りと一緒にレベルアップしていって、最終的に辿り着ければいいかなと思います」
サンガで躍動する29歳は、初キャップを刻めるか。目の前の1戦1戦が夢の扉を開く鍵となる。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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