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4連敗後の4連勝。覇権奪回へ首位を走る“新生・鹿島”復調の裏にあった鬼木達監督の見事なマネジメント

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2025年05月03日

町田にも1-0で勝ち切る

町田に勝利し、4連勝を飾った鹿島。首位をキープした。写真:永島裕基

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[J1第14節]鹿島 1-0 町田/5月3日/県立カシマサッカースタジアム

 怪我人続出の影響もあってルヴァンカップを含め公式戦4連敗を喫していた鹿島が、力強く復調を果たしている。

 アウェーでの11節(4月20日)・岡山戦(○1-0)で5試合ぶりの勝利を掴むと、名古屋戦(○1-0/ホーム)、横浜FC戦(○3-0/アウェー)、そしてこの日のホームでの町田戦に勝ち切って4連勝。前節、首位の座を奪い返し、覇権奪回へ力強い戦いを見せている。

 8年指揮した川崎で7つのタイトルを獲得してきた鬼木達監督が就任した今季の鹿島は、川崎時代に指揮官が標榜した技術力を活かしたテクニカルなサッカーに挑戦。選手個々の阿吽の呼吸などが必要な難易度の高いスタイルはまだ道半ばだが、鹿島OBでもある鬼木監督の下、一歩ずつ前進しながら、鹿島らしい勝負どころを抑えた勝ち方も示している。

 鬼木監督は前節の横浜FC戦で、再浮上の要因を説明していた。

「意識のところだと思います。急に上手くなること、強くなることはないですが、自分たちがどう勝って、相手は何を嫌がっているのか、自分たちの最終目標はなんのか、そういうことをしっかりと意識したなかで戦えている。非常にタフに戦っているので非常に頼もしく思っています」

 どんな時でも選手を立てるのは川崎時代と変わらない姿勢だが、川崎では4連敗をした姿はなかなか見たことがなかった。改めて自身としても、どう流れを変えたのか。町田戦の後に訊けば、こう返ってくる。

「勝負事なので、勝つ時もあれば負ける時もあると思っています。負ける時は単純に自分自身の力が足りないと感じていました。ただ、怪我人も多いなかで、自分自身の心のなかを変えなければいけなかった。『ここでやらないでいつやるんだ』という想いでいました。

 そういう想いをチームにも伝えました。『本当に優勝したいのであれば、まだ半分を折り返していない時点で、どれだけほかのチームよりもその意識のもと戦えるかどうか。それが今。勝負どころだ』と。

 選手たちが『本気で勝ち続けなければいけない』『引き分けではいけない』という意識で戦ってくれているのが、4連勝につながっていると思います。4連敗した時にその意識がなかったかと言われたらそうではないですが、自分のところでできたことがもっとありました。その悔しさがありました。そういう想いを選手たちも汲んでくれているのかなとは感じています」

 まさに言葉に魂を宿した勝負師らしいマネジメントと言える。

【動画】鹿島・田川の決勝ゴール!!

今季から指揮する鬼木監督。熱い言葉でチームを鼓舞する。写真:永島裕基

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 川崎時代にも師事したMF知念慶も改めて恩師の手腕を絶賛する。

「あの4連敗でまたチームがひとつになった感じがありましたし、その後の6連戦で4戦が終わりましたが、6連戦が始まる前に『この6戦全部勝つぞ』とオニさんが言っていたので、1試合1試合、勝ちに徹すると言いますか、そういう試合が常にできていると思います。

 僕が言うのもあれですが、やっぱりオニさんはマネジメントが上手いと実感します。チームが苦しい時に選手をやる気にさせる、ひとつにさせるようなマネジメントはさすがだなと。だからこそ内容が悪くても、連戦などでみんなキツイ時でも失点する感じがしないですし、みんながひとつになって同じ方向を向いて戦えている感覚は、比較はできないですが例年よりもあるようには感じます」

 また鹿島で数々の経験をしてきたMF三竿健斗も口をつく。

「オニさんは川崎でたくさんタイトルを獲っている監督なので、そうやってタイトルを獲るにはどういったマインドが必要なのか、自分たちに落とし込んでくれているので、信じて1試合1試合やっていきたいです。

 やっぱりオニさんが求めることは基準が高いので、みんなそこに追い付こうと高い意識を持ってやれていると思いますし、タイトルを獲ってきている監督なので、説得力が違うというか、求められることをやればより勝利に近づくんじゃないかなとみんな思っているはずです」

 鹿島での“鬼木改革”はまだ始まったばかり。課題は多いのは事実だ。今後はよりボールを握り、90分をコントロールするのが理想だろう。一方で右SBで起用されている津久井佳祐、ボランチの舩橋佑ら楽しみな若手も出てきている。

 伸びしろは多い。だからこそ“鬼木アントラーズ”の行く末はやはり楽しみである。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部) 

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